そうか、こうやって木の家を建てるのか。 「200年住宅」と工務店選びの知恵

(株)オトバンク 上田様より献本御礼。
いつ頃だったか、家庭を持って一軒家を買い、仕事と家族を両立すると言うような家族像があたかも固定観念のように広がった。

最近になっては晩婚化や核家族化によってアパートやマンションなどの需要が増えており、一戸建てへの需要が右肩下がりなのではないかと思ってしまう。確かに不況に陥っている今日では45年ぶりの低水準であったが、住宅ローンの減税やエコなどにより一戸建てへの需要は急速に落ちる気配はない。むしろこれから活性化していくのではないかとも考えてしまう。

本書は住宅業界の今後ではなく、むしろ「木の家の建て方」へのこだわり、誰でも一度はあこがれ、そして人生で最も大きな買い物になるだろう一軒家への選び方に至るまでの術に至るまで紹介している。

基礎編「15の知恵―木の家はこうやって建てた」
「200年住宅」となれば「長期優良住宅」と言われてもおかしくない。しかし日本ではそれが「あたりまえ」と言われている。現に神社や寺、城の多くがすでに200年どころか300年、500年、1000年と続いているものまである。日本人が持つ独特の建物づくりがそうさせている。
しかし戦後、正確に言えば文明開化の頃から欧米の技術が次々と日本に広がりを見せた。とりわけ戦後は住宅業界にもそういった波が押し寄せてきた。日本古来からある棟梁や大工の技術が衰え始めたのもこの時期である。
元々日本の住宅は四季折々に対応しながらも、済んでいる地域の気候に合わせた住宅を持つことによってそれを愉しむことができる様にできている。戦後から押し寄せた波、いわゆる「ハウスメーカー」によってそれが無くなり、全国津々浦々同じようなものが建てられているのだという。
ちょっと前置きが長くなってしまったが、本章ではそういった現状について指摘しながらも「木の家」を建てる15の知恵について紹介をしている。新しい概念もあるように見えるのだが、いずれもかつて日本が自然にやってきたことを再びやろうと言うような形である。「温故知新」をしながらも環境のために、自然と共生するために実践をする、そういった事であるのかもしれない。

実践編「25のスキル―成功する工務店の選び方」
最初にも言ったとおり、一戸建ての購入は人生の中で最も大きな買い物の一つである。だからでこそ「成功」というよりも、間違った選び方だけはしたくない。満足のいく家に住みたいというのは、一戸建てを購入する誰もが思っていることだろう。
本章では満足のいく一戸建てが購入できるような方法を25個のスキルとして紹介している。一戸建てを購入するには始めに「工務店選び」から入っていく必要がある。しかし工務店とはいっても様々であり、かつそれぞれの工務店にどのような強みがあるのか私たちはあまり見かけることはない。
工務店を知る術は色々とあるのだが、インターネットだけではなく、説明会や見学会に直接足を運んで情報を仕入れていくことが先決である。
そこから自分たちが建てたい家を整理しつつ、金銭面、さらには契約内容に至るまで注視していく必要がある。ここでは割愛していただくが、かつて欠陥住宅により、法廷闘争にまでなったケースもあったことから「自分の身は自分で守る」という考えは大切である。この期に及んでの「無知」は命取りとなる。

業者もお客も真剣勝負だからでこそ、というのもちょっと変かもしれないが、互いの考えをぶつけていく中で、そして日本独特の大工技術によって、日本の住宅は長く保たれるだけではなく、「自然との共生」を存分に楽しむことができる。本書は「これから一戸建てが欲しい」と言う人には是非読んでいただきたい一冊である。

コメント

  1. こんにちは、「Leader's×Reader's」運営事務局の鈴木と申します。
    まずは、突然このような形でコメント欄に書き込みを
    させていただきました失礼をお許しください。
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    http://www.ls-rs.com/
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    大変素晴らしい内容でしたので「Leader's×Reader's」に掲載し、ご紹介させて頂きました。
    もし掲載が厳しいようでしたらお教えください。掲載を取りやめます。
    ご不明な点等々がありましらお気軽にお問合わせください。
    今後ともよろしくお願いします。
    Leader's×Reader's運営事務局
    鈴木
    contact@ls-rs.com

  2. 蔵前 より:

    「Leader's×Reader's」運営事務局 鈴木 様
    初めまして、「蔵前トラックⅡ」管理人 蔵前 と申します。
    ご紹介ありがとうございます。
    掲載に関しては大丈夫です。
    取り急ぎご報告まで。
    今後ともよろしくお願いいたします。

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