稼いでいる人が20代からしてきたこと

(株)ユナイテッド・ブックス様より献本御礼。
タイトルからしてついつい買ってしまうような一冊である。昨日4月1日には至る所で入社式が行われた。これから社会人になる人はどのような期待と不安をもってやってきたのだろうか。
本書は年収1800万円以上と言われる言わば「稼いでいる人」が技術、ノウハウともに未熟であった20代の頃にはどのような学び、仕事、習慣などを行ってきたのだろうか。聞き取り調査をもとに傾向を分析しながら、どのようなことを行えばよいのかを「仕事」「独学」「人」と分けて提言をしている。

<仕事に学ぶ>編
仕事は学びや成長の宝庫である。社会人になってから期待と不安を膨らませる要素の一つに「仕事」があるだろう。
新人の頃は主に「雑務」が中心となる。あまり「考える」ことや「作り出す」と言うこととは程遠い仕事ばかりである。
しかしその「雑務」をこなすことからあなたの「仕事」は始まっている。雑務のこなし方、そして「意識」一つで仕事が面白くなったり、つまらなくなったりする。がむしゃらに仕事をこなしながらも、その道のプロになったり、出世したりする事ができる。
仕事ばかりではない。上司や先輩、同僚とのコミュニケーション、人間関係、ビジョン構築など成長できる要素は色々ある。時として嫌なことがあるかもしれない。しかしそれらの体験を教師、ないし反面教師にして自分はどうありたいか、と言うことを考えながら仕事をしてみると、思いがけない「成功」や「成長」が待っている。本書は仕事における様々なことを学びに転化しながらも、より成長をしていく仕事、会社習慣を伝授している。

<独学で学ぶ>編
これまでは授業や講義や研究などで、半強制的に得られてものを学べば良かった。しかし社会人になってからは学校のように「教える」と言うことはあまりしてくれない。むしろ自ら学んだものをアウトプットすることにより、成果を上げ、会社に貢献しなくてはならなくなる。
仕事だけではその仕事だけの「力」でしかなく、他の会社や業界で通用することができるか、というと必ずしもそうとは限らない。
本章では勉強の重要性、あり方、環境、さらには整理に至るまで提言している。

<人で学ぶ>編
元々私は生まれも育ちも北海道だった。なにが言いたいのかというと、高校・大学と外部で学べる勉強会やセミナーが極端に少なかった。どのような環境も見てみたかったと言う理由もあってか、社会人になったばかりの頃から勉強会に参加するようになった。
いまも勉強会に参加することを続けているが、その中で得たもの、学んだものなどを会社でも実践する。社内外で「人脈をつくる」という言葉は使いたくないのだが、それぞれに知り合いや友人をつくる。そのことによって会社内でしかわからないこと、社外でしかわからないことを知ることができ、双方で糧になる。
私も勉強会に積極的に参加するべきと言う意見だが、勉強会マニアや仕事を疎かにして勉強会に参加すると言うことは良くない。むしろ本末転倒である。もしその人がいるとしたら、
「いったん勉強会から離れて今まで学んだことを会社の中で生かす時間を作ってみてはいかがですか?」
と言いたい。

本書は年収別に統計を行い、その結果をもとに傾向を分析しているのだが、モチベーションや気の持ち方についても年収の差が出ているのかもしれない。年収の多い人の「共通点」を分析することができ、かつ自分自身の「今」と照らし合わせて、何をやっていけば良いのか、と言うのが見えてくる。本書はそのような一冊である。