あたらしい社員の教科書

震災や超氷河期と呼ばれる時代の中で4月1日、社会人として最初の一歩となる日、すなわち入社式を迎えた。社会人生活をスタートしている方々は希望と不安が入り交じった日となったことだろう。

本書は新しく社会人、会社人生活を迎えるに当たって知っておくべきことについて紹介している。あくまで「基礎の基礎」と呼べる一冊であり、社会人として身につけるべきものがたくさん詰まっている。

第1部「あたらしい社員になるために知っておきたいこと」
まずは何のために仕事をするか、自分はどうなりたいのか、収入はどのようになりたいのか、どのように決められているのか、について伝授している。
就職活動の時には必ずといっても良いほど「志望動機」というのを聞かれる。他にも将来の夢なども聞かれることがあるのだが、就職活動が終わっても、とりわけ後者のことについては考えを持ったり、聞かれたりする事がある。
グローバリズムな時代を迎えるに当たって外国人と働くこともあるが、それについて歴史を学ぶことの大切さについても教えてくれる。

第2部「社員ならだれでも知っておきたいこと」
新入社員になると入社してからすぐに働く、ということはほとんどない。最初は社会人として、職業人として、会社人として知るべき、身につけておくべき基礎をつける、言わば「新人研修」を受けることになる。
ここでは「挨拶」や「約束」、「時間管理」そして「考え方」となどが主体である。

第3部「活躍できる社員になるために知っておきたいこと」
情報収集や会議、チーム運営など、一歩進んだ仕事術に関して伝授している。

新入社員として学ぶべき所のほとんどは第1部と第2部に詰まっている。おそらく新入社員として最初に受け持つ仕事のほとんどは「雑務」であろう。その「雑務」に追われている中で仕事として大切なことを身につけていきながらワンランク上の仕事を目指す。それを何度も繰り返すことによってやがて第3部にあるようなことも必要になってくる。本書は新入社員にとってバイブルにすべき一冊である一方で、向こう3年、ないし5年でも学べる所が多い一冊といえる。