ドラッカーと松下幸之助

「ドラッガー」と言えば20世紀を代表する経営学者であり、彼の理論は経営学の枠を超え、ビジネスや組織の舞台でも大いに発揮している。最近では岩崎夏海氏の「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」が200万部を超える大ベストセラーとなった事により、ビジネス以外の場でも、ドラッガーの理論が使われるようになったほどである。

一方で松下幸之助は日本における「経営の神様」である。松下電器産業(現:パナソニック)を創立し、わずか一代で大企業へと成長させた立役者でもある。

二人の共通点、大まかなものでは理論にしろ、実践にしろ「経営」に大きく携わっていることにある。他にもイノベーションや組織についての在り方にも存在する。

一方として「違い」もあるのだが、それ以上に「ドラッガーと日本」をテーマとしたものも取り上げられている。欧米の「経営」と日本の「経営」はどちらとも長所も短所もある。本書はその二つの「経営」を鑑みつつ、互いの良い所を学べる一冊と言える。