夫婦の轍~つないだ手と手を離さないで~

漫才界の大看板である宮川大助・花子。

私もお笑いは好きであるが、宮川大助・花子の漫才はプラスの意味で妙な感覚を覚える。夫婦だからでこその「掛け合い」や「間」以上の「何か」。おそらく本書はその「何か」が詰まっているのかもしれない。

宮川大助・花子の夫婦の絆はかくも激動の中で育んでいった。妻・花子の胃がん、そのことからの夫婦崩壊、そして最近では夫・大助の脳出血など、枚挙にいとまがない。

以上の話はかなりテレビや新聞などでも取り上げられるほど有名なものであるが、本書は花子氏の半生とともに、宮川大助・花子結成の裏側、さらには前述の裏側などを余すことなく書き尽くしている。

まるで嵐が何度も来たような状況でも夫婦、そして家族共々信じて生きてきた証、そして新たなる可能性、そして「これまで」と「これから」を赤裸々に描いている。それをネタに使いながらも笑って生きている姿を読むと、宮川大助・花子の面白さがさらに深みを増すのかもしれない。