深層水「湧昇」、海を耕す!

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深層水「湧昇」、海を耕す! (集英社新書) 深層水「湧昇」、海を耕す! (集英社新書)
長沼 毅

集英社  2006-10-17
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「湧昇」という言葉自体初めて聞く人も多いだろう。「湧昇」とは、

「湧昇(ゆうしょう)とは、海洋において、海水が深層から表層に湧き上がる現象、またその流れ。湧昇流(-りゅう)」Wikipediaより)

とある。海流現象の一つであり、私たちの身の回りに直接的に関わることはない。しかしこれがマグロなどの魚に大きな影響を与えるなど、私たちの生活に間接的に関わる。
とりわけ今日マグロが食べることのできる「湧昇」の恩恵が大きい。
本書はその「湧昇」の特性とマグロに与える影響についてを追っている。

第一章「マグロの生活圏と生産力」
本章のタイトルについて生態系の食物連鎖や海流などを交えて説明している。物理学の中でも天候に関わるところが多い。専門的な用語も多くでてくるため、ある程度の知識がなければ結構難しい章と言える。

第二章「マグロを支える食物連鎖の役者たち」
第一章の最後に本書のタイトルである深層水が出てきた。深層水はミネラルが豊富であり、その中には植物プランクトンも豊富である。プランクトンがウニやアワビが繁殖し、食物連鎖に乗り、マグロの繁殖につながるというものである。
本章ではケイ藻などの植物プランクトンなど食物連鎖の根幹にある生物を紹介している。

第三章「マグロの生産を支える湧昇流」
「湧昇」の定義については最初のところで書いたのでここでは割愛するが、「湧昇」と一口で言っても沿岸か離岸かなどで現象は異なる。
またこの湧昇の流れは海流とも密接な関係を持っている(というよりも同じようにも見える?)。

第四章「100億人のマグロ生産を目指して」
100億人食べられるマグロ生産を目指す動きは、本書に紹介されている物ばかりではなく、数多く存在する。たとえばマグロの養殖もすでに行われているところは存在するが、卵の孵化から養殖を始めるという「完全養殖」も実用化に向けて研究を進めている。
では、著者はどのようなことを進めているのか。「人工湧昇」の実用化を進めているという。

本書のタイトルをみると思わず「?」となってしまう。しかし本書を読んでいくうちに、昨今話題となっているマグロの漁獲量減少といった漁にまつわる問題を解決してくれる起爆剤の一つとして挙げることができる。本書はその可能性を示している。

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