20代でムダな失敗をしないための「逆転思考」

著者の上田様より献本御礼。
このごろ「思考法」の本がビジネス書の中でとりわけ多い。その大きな要因としては、ビジネス書の本当の価値となる「実践」を容易に行えるところにあるのかもしれない。

本書は若くして起業し、幾多の失敗を重ね、現在では「Febe」や「朗読少女」で成長が著しいオトバンクの上田渉氏が幾多の失敗を重ね、身につけた「逆転思考」についてを伝授している。

CHAPTER1「まずは”志”を立てる!」
まずは自らの目標であり、行動指針となる「志」を立てる重要性を説いている。
「志」というと吉田松陰や高杉晋作をはじめとした幕末の志士たちを彷彿とさせるのだが、それとは少し違い身近なことへの問題や不満を見つけ、掘り下げ、解消していきたいという考え方、そしてそれを「天命」だと考えることで「志」となし、それを大きくさせる。
もちろん「志」だけでは大成できないが、大成する根幹と言える。

CHAPTER2「基礎知識を身につける!」
「志」を見つけたのであれば次は「基礎知識」である。最初にもいったとおり「志」だけでは大成できない。お金や知識など必要になるものを持ったり、身につけていかないと話にならない。
とはいえ知識ばかりでは単なる「頭でっかち」や落語でいう「やかん」になりかねない。
基礎知識とはいえど、どの会社で通じる基礎力、あるいは思考力などを本章では挙げている。もっとも業界の基礎知識ではなく、ビジネスマンとしての「基礎」知識といった方が良いかもしれない。ましてやビジネスマンの「基礎」は知識、というよりも「基礎力」というべきか。

CHAPTER3「業界知識を学んでみる!」
基礎が身に付けば、次は業界の知識である。業界の知識出あれば入門書をはじめ、専門書、業界紙(誌)など座学で学べるものから、その業界に携わっている方々に会って質訊くこともまた業界知識を学ぶことのできる方法である。むしろ後者の方がより分かりやすく、かつ「生」の声であり何者にも代え難い「一次情報」が手に入る。

「失敗は成功の元」もしくは「失敗は成功の母」という諺がある。著者は本書だけでは紹介しきれないほど数多くの失敗をしてきて、現在がある。当然失敗するとマイナスの感情で支配される。しかしそこからなにを学んだのか、何が「ダメ」だったか、その「ダメ」をどう改善していけば良いのか、とマイナスな感情を「逆転」することによって、失敗の連続から「逆転」でき、人生においても「逆転」することができる。本書はそのことを教えてくれる。