断らない人は、なぜか仕事がうまくいく

断らない人は、なぜか仕事がうまくいく 断らない人は、なぜか仕事がうまくいく
田中和彦

徳間書店  2010-08-27
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もう昨年か一昨年の話になるが経済評論家の勝間和代氏が文春新書にて「断る力」が上梓され、話題を呼んだ。反響も大きく「偽カツマー」が誕生したが、その本に起因することが多い。会社の誘いや頼みごとをことごとく断り、「自分はデキる」と演じている。そのことによって会社の中では煙たがれる存在となってしまったという。
本書はそのことについてふれてはいないものの、自分には向いていないとして「断る」ことよりも、むしろ「チャレンジ」だと思って「断らない」ことが自己成長ややりがいにつながり、仕事はうまくいくと自らの体験をもとに、講義形式にて語っている。

講義1日目「「向いている仕事がわからない」なら、断るな!」
初めてのプロジェクト、初めての職場となると誰も仕事の勝手がわからないのは至極当然のことである。
本章ではそのように向いている仕事がわからないからでこそ、断らずにやり遂げることで可能性や才能を見つけ、育てられることを説いている。社会人になるといろいろな仕事がくる。その仕事も自分を成長してくれるための「試練」として捉えることによって、成長の糧となる。

講義2日目「「才能を認めさせたい」なら、断るな!」
仕事にしても「量」をこなすことによって「質」に転化していくのだという。
本章のみならず、本書では私の本業であるSEの市場価値についても書かれており、大いに参考になった。

講義3日目「「毎日がつまらない」なら、断るな!」
「毎日同じ仕事でつまらない」という人は私の周りにもいる。しかし私は、
「おもしろくないと思っているから、おもしろくないと思ってしまう。やり方一つ変えてみたりするなど、おもしろくする方法はいくつもあるのでは」
と思ってしまうのである。本章では新しい仕事に飛び込むこと、断らないことによって「自分を見つける」ことができ、新たな可能性を見いだしてくれることを「」の著者である横山氏を取り上げながら説明している。

講義4日目「「将来に不安を感じる」なら、断るな!」
誰しも将来に関して不安を覚えたことはある。だからでこそ、将来に向けて「断らない」ことが大切であるという。とりわけ人がだれもやりたがらない「苦労」を買ってでもやることは後々の宝になることを、「ある事件」の対処を引き合いに出している。
本章の話と少しはずれるが、陸軍大将の梅津美治郎の功績の中の多くは「後始末」によるものであった。「後始末」をきちんとすることで昭和天皇から信頼を獲得し、様々な任務に就くことができたそうである。とりわけ「ミズーリ号」での降伏文書調印も軍を代表して参加したのも有名な話である。

講義5日目「「やれる自信がない」なら、断るな!」
自らが体験したことのない仕事を頼まれた時に必ず「やったことがないからイヤだ」という感情になることがある。やったことがないから「失敗する」ことの恐怖心も半端ではない。しかし「失敗した」という経験こそ、後々につながる大きな宝となることが多い。

「触らぬ神に祟りなし」ということわざがある。リスクを極端におそれる日本人特有の性格を如実に表しているように思えるが、ビジネスの世界ではそのようなことわざは通用しない。
ビジネスの世界は常に進化をする。その波に乗るためにも「断らない」ことが大切である。「断らない」からでこそ、自らの「リスク」を引き上げ、それでいながら大きな「チャンス」や「成長」をつかむことができる。本書は私たちの世代のみならず、社会人初心者にとっても大きなバイブルとなる一冊である。

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