イライラや怒りをマネジメントしてツキと幸運を引き寄せる法

「怒り」というと、「悲しみ」と並んでネガティブな感情の代表格として挙げられる。そのネガティブな感情をぶちまけることによって相手にも伝染しやすく、周りがギスギスとしたものとなってしまう。

本書はその「怒り」の感情のメカニズム、「怒り」を抑えたり、利用したりする方法について紹介している。

1章「「怒り症候群」という現代病」
現代は「怒りやすい」と言われている時代だという。私が最近「怒り」を覚えたことを思い出すと、仕事のことではいくつか挙げることができる。しかしそのほとんどは自分に対する怒りであるため、他人にぶちまけることはない。せいぜい雑念ノートにぶちまけて終わりである。
しかし、今し方は「他人」に対する怒りになることが多いのだという。他人に対する怒りの矛先を向けられると、向けられた人も「怒り」を表し、互いに険悪な関係に陥ってしまう。

2章「怒り症候群の5つの原因」
「怒り」の感情を呼び起こす要因として本章では5つ取り上げている。その5つは、

・「関わり」
・「承認」
・「自由」
・「楽しみ」
・「安心」

のそれぞれの願望が満たされるかどうかで「怒り」を引き起こすのだという。

3章「怒りを本当の感情だと勘違いする人々」
「怒り」は自分の本当の感情だと思いこんでいる人達もいるのだという。
そういう人に対して「怒り」を沈めようにも返り討ちされる、「怒り」を増幅して返してくることもある。
では「怒り」を向けるのだろうか。相手に対して「期待」しているのだから、である。しかしその「期待」はポジティブな意味での「期待」とは異なっている。その異なっている所以が本章には書かれている。

4章「怒りを「行動」で撃退する方法」
ここからは「怒り」を撃退する、抑えるなどの方法を紹介している。その第一弾として「行動」を取り上げている。仕草や考え方、口癖などいろいろなものが本章では紹介している。

5章「怒りを「イメージ」で抑える方法」
「イメージ」でどのようにして「怒り」を抑えるのだろうか。簡単に言うと「楽しい」「好き」「将来」を想像していくことによって、「怒り」を沈めることができるという。

6章「怒りを制御する「考え方」」
「怒り」を起こしやすい考え方に「完璧主義」が挙げられているが、その「完璧主義」を否定するものではない。ようはこの「完璧主義」の矛先が自分に向けられるのは良いが、他人に向けられることで「怒り」となってしまうのである。自分と同じ「完璧」な状態にならないから不満が募ってしまうからである。
本章では「完璧」のほかにも、考え方のバランスやユーモアなどを取り上げている。

7章「怒りを撲滅する実践シート」
本章では「怒り」の感情を撲滅するための究極アイテム「怒り撲滅シート」を紹介するとともに、実践例も取り上げられている。論より証拠なので、まずは自分自身、もっとも「怒り」を覚えたことを書いてみると良い。

8章「「怒り」は自分と向き合うチャンス」
「怒り」はすべて「悪」ではない。「怒り」を表されていることによって自らの考えや行動を変えることができる。ネガティブをネガティブとしてとらえず、ネガティブの中には何か「理由」や「要因」がある。その「対処」はどのように行うか、に転化し、「怒り」と向き合うことができる。

「怒り」はもしかしたら誰にも起こる感情なのかもしれない。しかし「怒り」を「怒り」のままにせず、自ら向き合うことによって「怒り」を抑える、沈める、撲滅する方法がある。自らの行動によって自分にも、相手にも引き起こされるのであればなおさらである。価値観は誰しも違う。互いに許しあう、認めることによって「怒り」は抑えられる。もしも「怒り」を出そうとしたらちょっと立ち止まって本書を開いて見た方が良い。「怒り」と向き合うことによって「怒り」を抑えることができる。