耳かきエステはなぜ儲かるのか? 成功する「超ニッチビジネス」のカラクリ

ビジネスの世界は最近幅広くなってきている。少数派の人々を対象にした、いわゆる「ニッチビジネス」と言うのもあるほどだ。

本書のタイトルにある「耳かきエステ」もその一つであるが、繁盛をしているのだという。
ではなぜそのような「ニッチビジネス」は儲かるのだろうか。本書は様々な「ニッチビジネス」を紹介をしながら追っている。

第1章「耳かきエステはなぜ儲かるのか?」
本書のタイトルの考察からはじまる。言わば最近の「ニッチビジネス」の代表各と言っても過言ではないという。
「耳かき」とはいっても耳掃除もそうであるが、女性との他愛のない会話をするなど、耳を掃除してくれるとともに渇愛(愛情が枯渇すること。元々は仏教の言葉から来ている)を満たすことができるなど、モノの満足と言うよりも「ココロ」の満足を満たすことができるという。
女性を指名できる、と考えるとキャバクラや風営法に引っかかるようなモノを連想してしまうが、そういったものではなく、むしろ女性とのコミュニケーションをとりたいといいう願望が形となったと言える。

第2章「立ち飲み屋はなぜ儲かるのか?」
本章で取り上げられている「立ち飲み屋」は最近できたものではなく、むしろ昔からある「古参」といえる立場にある。しかし最近になってそういったビジネスが繁盛しているのだが、その理由はいったい何なのか。
ターゲットにしているのは男性の一人客。とりわけ中年層を意識しているという。ここでも第一章でもあった「渇愛」を満たす、もしくは「安価で軽く飲める」という感覚が人気を呼んでいる。

第3章「小型ラーメン店はなぜ儲かるのか?」
最近私はラーメン店に行かないのだが、街中・郊外問わず様々なラーメン店を目にする。ラーメン店とは一口に行っても一店舗しかない個人ラーメン店もあれば、全国に展開しているチェーン店まである。
本章では小型ラーメン店が儲かる理由について取り上げられているが、ラーメン店の強みを生かしつつ、小型化することによってどのような利点があるのかを紹介している。

第4章「簡易葬儀はなぜ儲かるのか?」
最近では結婚式が多様化したのと同じくして葬儀の形式も多様化している。「簡易葬儀」もその一つであるが、元々「どんぶり勘定」と呼ばれた葬儀業界であるが、大手小売業社が葬儀業界にも進出したことも一因もあって、ビジネスチャンスが転がり込んだと言える。

第5章「コンサルタントはなぜ儲かるのか?」
私はセミナーやパーティーなどで様々な人と知り合うが、その多くは何らかの形での「コンサルタント」と語る人々が多い。「コンサルタント」は評論家と同じように誰にでもなることができる職業である。しかしコンサルタントは誰もがなれる職業であるが、専門的に特化している人、もしくは集客によってもうかる職業に変貌することができる。本章ではそのカラクリを紹介している。

事業を興す人、あるいは独立をする人はこれからも出てくることであろう。そのような時に自らのスキルだけではなく、時代や本質を読みとる「眼」も必要となってくる。その眼をもって何を始めていくのか、そしてどのように展開をしていくのか、を本書では教えてくれる。