年末恒例ランキング2011 vol.2 「社会科学」本ランキング

年末企画第2弾は「社会科学」本ランキングです。今年は67冊取り上げました。「社会科学」といっても「科学」ではなく、むしろ時事的な本を取り上げることの多い分野であり、今年もさることながら過去の事件についても取り上げています。
今回はこの中から印象に残った本を5冊紹介致します。

第5位:なぜ無責任な建築と都市をつくる社会が続くのか

なぜ無責任な建築と都市をつくる社会が続くのかなぜ無責任な建築と都市をつくる社会が続くのか
中崎 隆司
彰国社  2007-06
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「ハコモノ行政」という言葉はもはや「死語」かと思ったのですが、最近では八ッ場ダムなどが取り上げられており、今でもそれに頼ってしまっているような状況を突いている一冊でした。

第4位:ツイッターノミクス

ツイッターノミクス TwitterNomicsツイッターノミクス TwitterNomics
タラ・ハント 津田 大介(解説) 村井 章子
文藝春秋  2010-03-11
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最近ではFacebookととものTwitterも人気は急上昇しています。そのTwitterによって何がもたらされたのかがわかる一冊であったのですが、本書が出版された後の今年には東日本大震災が起こり、TwitterやFacebookなどのSNSが大活躍した年であったため、本書を取り上げました。

第3位:婚活貧乏 結婚してはいけない人を避ける方法

婚活貧乏  結婚してはいけない人を避ける方法 (中公新書ラクレ)婚活貧乏  結婚してはいけない人を避ける方法 (中公新書ラクレ)
露木幸彦
中央公論新社  2010-06-10
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昨年・一昨年には「婚活」がブームとなり、ワイドショーでも取り上げるようになりました。しかしその裏側についてはあまり語られなかった印象を受けましたが、本書はその婚活を行った人の「暗」の部分を生々しく映し出してくれた良作と言える一冊でした。

第2位:無縁社会~“無縁死”三万二千人の衝撃

無縁社会無縁社会
NHK「無縁社会プロジェクト」取材班
文藝春秋  2010-11-12
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これは事件として取り上げたと言うよりも最近の風潮から、そうなってしまっているように思えてなりません。東日本大震災でも約2万人もの多くの命が失われてしまいましたが、無縁仏の名のごとく、死んでも誰も見向きもしてくれず、本当の意味での「孤独」に死んでいく人たちがこれからも増えて行く。それを象徴づけるような一冊でした。

第1位:6枚の壁新聞 石巻日日新聞・東日本大震災後7日間の記録

6枚の壁新聞 石巻日日新聞・東日本大震災後7日間の記録  角川SSC新書 (角川SSC新書 130)6枚の壁新聞 石巻日日新聞・東日本大震災後7日間の記録  角川SSC新書 (角川SSC新書 130)
石巻日日新聞社
角川マガジンズ(角川グループパブリッシング)  2011-07-09
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今年がもっとも象徴した事柄といえば3月11日の東日本大震災。わたしの住んでいる所も震度5弱の地震に見舞われました。それから翌日・翌々日と書評などの記事を中止し、震災関連のニュースをお送りいたしました。

本書はこの3月11日から6日間、壁新聞で被災地に情報を届けた方々の話です。当ブログでは特定の新聞社やメディアに関する批判も繰り返してきたのですが、本書はもっとも「報道」とは何か、「新聞」のほんとうの役割は何か、という「原点」を伝えてくれた、という点でもっとも印象に残る一冊でした。

次回は「文芸・評論」本ランキングです。