猫の品格

普段はあまりいわない話であるが、私は大の猫好きであり、それも野良猫がくると必ず鳴き声の声真似をして振り向いてくるのを楽しみにしている。たまに近づくことがあればその場を離れずじゃれあうこともある。

私事はここまでにしておいて、猫好きの人は野良・ブランドの違いはあれど、好きな人がおり、実際に飼っている人もいる。本書のいう「猫の品格」とはいったいどのような事をいっているのか、そしてどの猫の事を言っているのか、を示している。

第一章「猫好きを信用するな」
結局のところ私は信用しない方がよい。
それはさておき、猫好きな人はそれを売りにしたがるのだという。そうではなく、本当の猫好きはすまなそうな表情で言うものだという。

第二章「ある猫飼い家の一日」
「ある猫飼い家」というが、本当のところ著者自身の日常を映している。猫は自由奔放であるため、どのように飼っているのかがよくわかるが、猫は夜行性であるため、夜が修羅場になるようにも見えており、想像と反し、過酷な生活を強いられるという。

第三章「良い獣医、悪い獣医」
猫が病気になった時には他の動物と例外なく獣医の所へ行き、病気を治療する。しかし獣医の中にも良し悪しがあるのだという。

第四章「世界の有名猫」
古今東西の猫の話だけではなく、有名人が飼っている猫、さらにはマンガやアニメに出てくる猫の話まで言及をしている。

第五章「村上春樹の猫」
昨年・一昨年では「1Q84」がベストセラーとなり、ノーベル文学賞にも何度も候補に挙げられている。その村上氏のエッセイには必ずと言ってもいいほど猫の話が挙げられる。しかし私たちがよく触れるような猫ではなく、イタリアやギリシャ、トルコなどの猫観や猫話が聞けるため、猫好きな人にとっては刺激的な話が多い。

第六章「猫の品格、人の品格」
「品格」に関する本ではいつも問うているのだが、「品格」とはいったい何なのか。「人間」にしても、「日本人」にしても、何を持てば「品格がある」と言えるのか、ましてやなぜ必要なのか、示している人はごく少ない。

猫は「自由奔放」という言葉を象徴づける生き物である。その奔放さが愛らしく、どうしても振り向けたくなるのも私の習性(?)なのかもしれない。それだけ猫は不思議な生き物である。