Windowsの時代は終わったのか?

仕事・プライベート問わずとも私のパソコンのOSはWindowsである。しかしスマートフォンはWindowsかというと、そうではなくGoogleからつくられているAndroidを使用している。スマートフォンが隆盛している中でWindowsは取り残されている状況にある。

スマートフォンやタブレット端末の隆盛によりWindowsの時代は終わってしまうのだろうか、もしくは違った形で進化していくのか、本書はWindowsをはじめとしたOSの進化とともに解き明かしている。

第1章「コンピューターに必要不可欠なOSとは?」
今の時代となっては「OSのないコンピューター」は、きわめて珍しい存在と言える。「人工記念物」とも言えよう。
OSは元々コンピューター上でワープロや表計算などのアプリケーションソフトを起動するのに欠かせないソフトウェアであり、コンピューター本体を有効に動かす為に欠かせないソフトでもある。

第2章「OSの歴史はIT業界の進化過程そのもの」
OSそのものが誕生したのは1965年の「OS/360」と「マルティクス」であるが、私たちがパソコンを使いはじめた時はWindows3.1や95が出てきた頃、つまり90年代前半あたりであった。
私のような技術者としてOSを使われ始めたのは70年代の「UNIX」の誕生だった。このUNIXでの開発OSによりアプリケーションソフトや基本ソフトの誕生をする事ができた。そう考えると開発そのものの進化がOSの歴史を彩っていると言っても過言ではない。

第3章「GUIの世界へ移行したマイクロソフト」
マイクロソフトの核となる基本ソフトウェアが誕生したのは1984年、それ以前にも「MS-DOS」が1981年に誕生した。
84年に誕生したウィンドウズ1.0やその後に誕生したウィンドウズ2.0などはGUI(マウスなどをデバイスを用いて、文字入力などの操作を行うインタフェース)を採用したOSは誕生したものの、浸透するにはほど遠いものであった。
しかしそのGUI採用のOSが格段に進化し、広く受け入れられ始めたのが1992年に発売されたウィンドウズ3.1であり、95年に爆発的なヒットを記録し、OSそのものの概念が変わったウィンドウズ95も出てきた。このときからマイクロソフトの天下が始まった。

第4章「32ビット化で躍進するウィンドウズOS」
そして世界を代表するOSを決定づけたのが「32ビット化」であった。これまでは「16ビット」のOSであったが、そもそも「ビット」とは何なのか、という疑問を持つ方が移送なので、ここで説明しておく。
OSにおける「ビット」は簡単に言うと「一度にデータを読み書きできる個数」のことを言っている。つまりビット数が多ければ多いほど並行した処理をすることができるようになり、処理速度も速くなる。
話を戻す。では「32ビット化」したことにより極限まで進化したもの、最大級の要因は「ウィンドウズXP」に他ならない。このXPも現在では開発、ユーザも含め幅広く使われている。32ビットでありながらもシンプルであり、かつスムーズな処理が行えることが要因だったのかもしれない。
この躍進が後のバージョンアップに大いなる重荷となって帰ってきたのは、言うまでもないが、これからそれがマイクロソフトにさらにのしかかる課題と言えよう。

第5章「OSからの脱却」
そのOSも性能が過剰に進化した。それだけではなく「クラウド」の技術も発展し、私たちの生活に浸透してきたことにより、OSそのものの存在価値も下がりつつある。ましてやOSそのものがインターネットでまかなえ始めてきており、かつそれによるブラウザー戦争がOS以上に過熱化してきている現実がある。

第6章「ウィンドウズが不要になる日」
ウィンドウズは現在最新のOSである「ウィンドウズ8(仮)」を開発中であるが、スマートフォンやタブレットPもあり、幅広く受け入れられるのか、あるいはそれが認知されるかで大きく後れをとってしまっている。

第6章にある事情からしてもウィンドウズはもはや「衰退」の一途をたどり始めているといっても過言ではない。とはいえ急速に衰退するわけではなく、今後10年かけて緩やかに終わりが訪れるだろう。その大きな要因として開発の場でも未だにウィンドウズが使われることが多いからである。