リーダーシップは「第九」に学べ

「リーダー」=「第九」

という図式は他の人から見たら何か違和感を覚えてしまう。
なぜリーダーシップは第九がいいのか。またオーケストラや指揮者、或いは、「第九」とリーダーシップ、という違和感のある関連性について、本書では分析を行っている。

第1章「組織としてのオーケストラの率い方」
オーケストラと会社の組織は、似ている部分が多い。組織は団体として行動や計画を練るが、これはオーケストラでも同じことがいえる。では指揮者はリーダーと呼ばれる人なのだろうか、というところが気になる。

第2章「リハーサルに大切なマネジメント力」
本章では、オーケストラにおけるリハーサルの重要性について説いている。リハーサルに必要なものとして最も大切な物マネジメント力であり、本番の流れをスムーズにするために、本番さながらの練習もしくは段取りを組み立てていくことを目的としている。私も中学・高校と吹奏楽を、大学ではオーケストラを経験していることからリハーサルの重要性についても十分に理解している。

第3章「指揮者は棒を振るだけではない」
だいたい指揮者というと、「タクト」という指揮棒を振るだけの存在であると言われているが実際はそうではない。話は少し変わるが指揮棒の歴史は16世紀に誕生した「指揮杖」と呼ばれる杖で地面を打ち付けてリズムをつくり、指揮していたことから始まるちょうどバロック時代のことであり、ルイ14世の快気祝いのために「テ・デウム」を演奏した時に誤って自分の足を強打し、その傷をもとで死亡した指揮者もいた程である。
話を戻す。指揮者は指揮棒(または手)を振るだけの存在のような印象を持つ人が多いようだが、実際は演奏者とのコミュニケーションや信頼などのコネクターと言われているという。

第4章「リーダーはどうやって育つのか」
本章では著者自らの生い立ちと指揮者修行時代、そして東日本大震災への思いなどを綴っている。

第5章「ベートーヴェン交響曲第九番(「第九」)の魅力」
「第九」は日本でも特に有名な交響曲であり、年末には恒例として取り上げる所が多い。もっとも最終楽章で歌われる「歓喜の歌」はCMなどで多々使われるため、クラシックがわからなくてもどこかで聞いたことがあるだろう。
さて、本書のタイトルの話の核心が書かれている本章であるが、毎年末に演奏される理由は何か、それは「第九」そのものの曲想にあるのだという。

全4楽章で約70分にも及ぶ長編の交響曲「交響曲第九番」は演奏する側にとっても聴く側にとってもハードな内容である。それを指揮者のリーダーシップによって「第九」の世界を広げている。本書はそのことを言っているのでは、と考える。

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