マイル~極貧からCAへ芸能界へ、階段をのぼる私~

水野俊哉様より献本御礼。
先月の26日に「1日5分で夢が叶う 日記の魔法」を取り上げた。10歳の頃から21年以上にわたって日記を書き続け、CAをはじめ様々な夢を叶えたものであった。

しかし、夢を叶えたプロセスは決して平坦なものではなかった。むしろ「波瀾万丈」という言葉が似合うほどに。

本書はその夢を叶えるための「波瀾万丈」と呼ばれた松尾知枝氏の人生をありのままに綴っている。

第1章「養護施設で過ごした8年間」
彼女の小さい頃はまさに「地獄」という言葉が当てはまってしまうほど壮絶なものであった。
そう、赤貧・DV・いじめ・犯罪・・・と挙げてみてもきりがないほどに。耐え難いような冷たくも残酷で、それでいて厳しい「現実」という二文字が彼女の心を蝕んでいった。
8年間の「地獄」の中で初めて「日記」を手にし、施設でくれた言葉「あなただからでこそ、与えられる試練がある」は、そこから脱出する一筋の光明を見いだす糧となった。

第2章「貧乏女子大生、CAになる」
貧乏を脱出するために必死に稼ぎ、大学にも進学したが親の裏切りにより、再び貧乏に戻った。しかし彼女は諦めない。様々なアルバイトを行い、学費を稼いだ。その中でCAになるきっかけも見つけ、それに向かって邁進し、そして夢を叶えた。

第3章「亀CA、頑張る」
「就職氷河期」と呼ばれた時代にCAの夢を叶えた。が、お客様の命を預かる仕事であるだけに研修の厳しさはかなりのものであった。その厳しい研修を越えると晴れてCAとなった。まるで亀の如く愚直に一歩進んだサービスを行う。それを続けることによって亀の様な速さだが着実にお客様と同僚、先輩からの信頼を得るようになった。
やがてその仕事から派生して合コンに参加するようになり、次章で中心となる合コンタレントの礎を築いた。

第4章「合コンタレント」
CAとしてのキャリアを歩んだ最中、芸能プロダクションのスカウトを受け、晴れて芸能人となった。しかし来る日も来る日も仕事は来ない。ようやく頂けた仕事も非難囂々だった。そして彼女は再起し、「合コンタレント」「コラムニスト」の道を歩み始めた。

まさに「ジェットコースター」のような人生、しかし彼女は諦めずにひたむきに生きてきた。彼女の側には長年付けてきた日記と、

「あなただからでこそ、与えられる試練がある」

という言葉があった。その彼女の「生きざま」こそが辛さ、苦しさに喘いでいる女性の方々にとって心の支えとなる様に思えてならない。
そして生きるのにつらく迷える時に誰でも一度は読むと良い。かつて壮絶な苦しみを体験してきた女性の背中は常に試練と隣り合わせでありながら生きている姿は、必ず生きる光明を見いだしてくれるのだから。