ビジネスパーソンの街歩き学入門

私は最近仕事の昼休みには散歩を行う。プロジェクトにより職場が変わるため、変わった先のことについて調べることもあれば、仕事ではあまり触れることのない外の空気に触れることがなによりの楽しみである。

著者の藤巻幸夫氏も街歩きを行ったことにより、様々な発見をし、ビジネスに直結させてきた、人脈も広げてきたという。

一見ビジネスに直結しないような「街歩き」について本書は感性・思考力・目の付けどころ・人脈などを磨くための方法として紹介している。

1.「感性を磨く街歩き」
街にはいろいろな情報が溢れている。看板広告や店、あるいは木々や橋など、地図でも見つからないスポットなど街歩きをするといろいろな発見がやってくる。
私が街歩きを行う楽しみの一つとして今のような発見を手に入れるためにある。
その発見の連続によって仕事のヒントやアイデアを得ることができる。

2.「世の中の流れを見抜く街歩き」
売れるものや良いもの、あるいは現在流行しているものなど商店街の広告や書店で平積されているものなど、「流行」のものが歩き続けていくとよくわかる。

3.「人脈が広がる街歩き」
「街歩き」と「人脈」は直接関係がないように見えて、密接な関係がある。たとえば「行きつけの店」「常連店」をつくることで、店の人と知り合うだけではなく、常連の人にしかできないサービスを受けることができる。
レストランなどの飲食店ではなくてもパーティーなどで初対面の人と出会う時のきっかけを作ることもできる。
そういうことから街歩きは人脈づくりのスパイスともいえる。

4.「考える力をつける街歩き」
歩けば歩くほど、考えさせられるようなものに出くわすことが多い。そうでなくても私は、ビジネスとして「壁」に直面したとき、深く考えたいときに歩くこともある。
考えるネタが街には眠っている。いろいろな建物や広告をみて、「色」や「物」、「人」について「なぜ?」と問い続けることによって、「仮説」を組み立てたり、物事を深く見ることができる。

5.「発見力を鍛える街歩き」
街には色々な発見がある。前章までのところでも同じ事を書いていたが、街を俯瞰して見たり、あるいは電車内の広告を見たりする、あるいは実際に店に入ってみることによって歩くだけとは違った「発見」も得ることができる。

6.「審美眼を養う街歩き」
人それぞれに「美学」があり、「美」と感じる所も異なる。本章ではインテリアショップは古道具屋などを紹介しているが、ほかにも宝石店など「美」を考えられる所で「違い」を感じ取る事の繰り返しによって「審美眼」を築くことができる。

7.「気持ちを切り替える街歩き」
もちろん「気分転換」としての「街歩き」も欠かせない。仕事で疲れをリフレッシュする役割としてある。歩くだけではなく、歓楽街や公園、カフェなどの憩いの場も紹介している。

「街歩き」と言って侮ってはいけない。街歩きこそアイデアを生み出すこともあれば、リフレッシュをする役割も、果てまでは人脈は感性を磨くこともできる。
本書を読み終わったとき「さあ、街に出ようじゃないか!」と感じずにはいられない。