人生論としての読書論

人生論としての読書論 人生論としての読書論
森 信三

致知出版社  2011-09-16
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読書は自らの人生を豊かにする。それは今も昔も変わらない。
しかし、その読書の方法一つにしても人それぞれであり、ある人はビジネスや自己成長のために、またある人は私のように人生を豊かにするために読むなど、用途によってもそれぞれである。
では本書の著者である哲学者・教育者である森信三の読書観は一体どのようなものなのだろうか。本書は森信三全集全二五巻のうち、第二〇巻に収録された「読書論」を抜粋している。

一.「読書と人生」
「読書は心の食べ物である」
これが著者における読書の根幹である。しかし食べ物とはいっても何でも食べればよいものではない。ただ単に多読をしていては、大食いによる「食傷」をするように、人生における糧を得ることも少ないのだという。

二.「書物の選択」
「心の食べ物」として読書をするのには、「良い読書」を心がけることが大切である。そのために良い本を「選択」することも重要である。しかし「良書」とは何か、「悪書」とは何か、その分別の基準も知る必要がある。

三.「本の読み方」
読書の仕方は人それぞれであるが、その読み方一つで「性格」も現れてくるのかもしれない。せっかちな私の場合は速読をする傾向にあるが、じっくり読みたい場合は「遅読」や「精読」を好む傾向にあるように思える。

四.「読書による人間の確立」
読書をするにも「基礎訓練」が大切であるという。ではこの「基礎訓練」とは行ったいどのようなものなのだろうか。簡単に言えば「決心」と「覚悟」を持つことにあるという。
ほかにも本章では目標達成や自己啓発、あるいは求道の一つとしての「読書」のあり方も言及している。

五.「読書における場所の問題」
読書は場所を問わない、と言われているが、車中や枕元、書斎など著者自身それぞれの場所で読書体験を行っている。その実験結果といえるところである。

六.「読書と年齢」
小学生、中学生、高校生、大学生、そして社会人、壮年、老年と年齢を重ねるにつれ、読むべき本や読書のスタイルも変化をする。本章ではその変化について論じている。

七.「読書と職業」
「職業即天職論」
これは江戸時代に士農工商がきっちりと区分けされていた時代の時に植え付けられていた考え方であるが、明治維新を境に制限はあるものの、職業選択が許されるようになった。それとともに最初にある理論は批判的に検証をする必要がある。本章ではそれをなされている。

八.「読書と実践」
当ブログでは「ビジネス書」も多く取り上げる、そのビジネス書の根幹は、ただ単に読書だけではなく、実践も伴って価値を見いだすものである。しかし読書そのものは心的・技術的双方の観点から「実践」をする事によって価値をつけられるのだという。
確かにその通りであるが、本によるのかもしれない。小説などその場の感動を覚えるような作品で実践できるのかというと私としては疑わしいためである。

九.「人生の浄福」
読書は人を豊かにする。
本章では「人生の浄福」という表現にて記されている。読書を通じて人生を形成していくのかについて論じている。

哲学者・教育者として数多くの作品を遺した森信三と読書は切っても切れないものと言えることが本書を読んでもわかる。数多くの名言とともに、読書観はビジネスパーソンとは違ったものもあれば、通ずるものもある。学者と読書の関連性を知るためにもなかなかおもしろい一冊である。

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