女後継者―ストーミー・ペトラルの幸せ

「女は度胸」とも言い、「女は愛嬌」とも言う。

正しいことわざとしては「男は度胸、女は愛嬌、坊主はお経」と言われているが、最初に記しているようなことでも「言葉の意味」としてではなく、本書にでてくる女性の後継者たちの「生きざま」がそう言っているように思えてならない。

本書は一代にしてクィーン・エリザベスに匹敵するほどの財をなし得た資産家の娘・孫・曾孫・玄孫・・・と様々な「後継者」と呼ばれる女性たちの戦い・恋を4人の主人公のパターンで描いている。

その4人の主人公が紡ぎ出すラブストーリーは日本で語られる甘く切ないものが多いのだが、本書で紡がれるものはブルジョワの階級であるせいか、それともその意識の強いイギリスであるせいか、「恋心」の中にもしたたかな「駆け引き」も描いており、ハラハラさせられるような描写もあり、おもしろい作品と言える。

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