オートクチュール~パリ・モードの歴史

「オートクチュール」

ファッションの中でもこの言葉ほど高貴であり、かつ個性的なものはない。簡単に言えば服の「オーダーメイド」と似通うところはあるのだが、オーダーメイドと違う点は「富裕層の顧客」を対象にしていること、生地などの材料が「最高峰」であり、それを最高峰のデザイナー(クチュリエ)によって作られたものである、という意味合いでは違いがある。

もともと「クチュール」はフランス語で「注文服」の意味合いを持つのだが、本書はフランスにおける「服」の歴史とともに「オートクチュール」がなぜ高貴なものとなってきたのだろうかの考察を行っている。

第一章「オートクチュールの夢と現実」
人はなぜ「オートクチュール」を求めるのだろうか。そしてその「オートクチュール」はフランス、とりわけパリのファッションにどのような影響を及ぼしたのか。
そもそも「(オート)クチュール」には規約があることすら知らなかった。その「規約」は1945年「衣服・生地加工組織委員会」の決議によって決められていたという。

第二章「名クチュリエ群像」
ココ・シャネル、ピエール・カルダン、イヴ・サン=ローラン、ジャンニ・ヴェルサーチなど、ファッションを知らなくても知られる、いわゆる「名」と呼ばれるほどの「クチュリエ」を紹介している。

フランスで生まれた「オートクチュール」。日本のファッション界でも轟かせている一方でその歴史はあまり知られていない。その知られていない歴史と成り立ちを本書では教えてくれる。