コンセプトのつくりかた

スタジオビビ 乙丸様より献本御礼。
世界にイノベーションを起こすアイデアを思いつくことは誰にもある。そのアイデアを生み出すための考えにある。
その「コンセプト」をいかに作っていくのか、本書は「Wii」の開発に携わり、現在では郷里の八戸市で地元企業やNPO団体のコンサルティングに携わっている方が伝授している。

第1部「おりていく コンセプトとは何か」
アイデアが出るときには「いい考えがおりた」というようなことが往々にして出てくる。しかしその「アイデア」を出す、「コンセプト」を出すにしても、「既知の良さ」を出すよりも、むしろ本当に売れるかどうかわからない、しかしいったん売れると爆発的に売れ出す「未知の良さ」を発見するためにコンセプトを生み出す。一見「ブレインストーミング」に見えるのだが、そうではない。コンセプトを練る、つくることによって未知のビジョンやアイテムを見出していく。

第2部「のぼっていく コンセプトをつくる具体的なプロセス」
第1部と第2部をあわせるとサクソフォーン・フルート奏者であるオリタ・ノボッタを連想してしまう。
それはさておき、本書はコンセプトを生み出すためのプロセスを某ロールプレイングゲームになぞらえている。どんなゲームかは本書を読めば自ずとわかるので、あえてリンクも説明もしない。
大きなテーブルに付箋を書いて貼るのだが、様々な質問に対する答えや悪口などを並べていく。その「並べていく」プロセスの中からコンセプトを明確化し、活用できるようなものにしていく。

第3部「すすんでいく コンセプトをどう活用するか」
そのコンセプトから「ものつくり」としての「仕様」にし、形にしていく。机上から生まれ、そして固定観念を遙かに凌駕し、世界を変えていくようなものこそ「コンセプト」である。

「コンセプト」の力は無限であり、その力は誰にでも存在する。その存在する力が束になり、世界を変えていくような「ものつくり」となる。wiiはその結晶であり、それをしのぐ作品もこの「コンセプト」から生まれていく。本書はまだ見ぬ新たなコンセプト作りのあり方を示してくれる。