愉しい電力自給自足生活

原発事故をきっかけに「脱原発」が広がりを見せている一方で、太陽光発電が爆発的に需要を伸ばし、「メガソーラー」と呼ばれる発電所までできたほどである。

その一方で、太陽光発電のみならず、さまざまな発電技術を用いて、本当の意味で電力の「自給自足」をする方々もいる。「自給自足」はできるまで苦しいイメージがあるのだが、本書は「非電化」「発電」など様々な道具があり、その中でも自分自身で作ることができるものがある。電気がある時よりも若干不便なところはあるかもしれないが、その「不便さ」もまた愉しみの一つといえる。

第1章「非電化生活で新しい豊かさをめざす!」
電力をまかなうだけではなく「電力を使わない」ものとして冷蔵庫や除湿器などを取り上げている。とりわけ「冷蔵庫」は家庭電化製品の中でもっとも電力消費が激しいものの一つであるため、自然冷蔵・冷凍ができれば電力大も大幅に浮くことができる。
それだけではなく「電力を必要としない家」の作り方まで伝授している。その中でも「経済成長」で犠牲になったものを見出してくれる。

第2章「あなたの自宅で電力自給自足生活をめざす!」
最初に書いたように太陽光発電がもっとも注目を集めているが、住宅用にしても業務用にしても、設置する場所やメーカーなどの選定は慎重に選ぶ必要がある。本章ではメーカー別の太陽光発電のメリット・デメリット、さらには設置する場所の違いについてもとらえている。

第3章「いざというときにも便利な簡易発電グッズ」
震災が起こってからというもの、ソーラー発電だけではなく、簡易発電のできるグッズも需要を伸ばしている。本章ではその一部を紹介しているが、「発電鍋」や「傘発電」「ガスボンベ発電」「水電池」などユニークなものがたくさんある。とはいえ最後の「水電池」は家電量販店でも売られているが、災害対策の需要が高まっているせいか効果であるものの売れ行きは良いのだという。

農作物の「自給自足」は良く聞くものの電力の「自給自足」はあまり聞いたことがない。むしろ需要が伸びてきたといわれても過言ではない。発電の「自給自足」「非電化」などこれからももっと需要は伸びるが、それ自体も「愉しさ」に変えることができるのが本書といえる。