住宅営業という修羅場で26年 7000軒売った男が教える勝ち残る営業の36の掟

(株)オトバンク 上田様より献本御礼。
私自身、職業柄であるが「営業」という職業がどのようであるかは知らない。しかしいざ「営業」となるとどのようなものかを知りたくなる。

本書は営業の中で最も過酷な「営業」の一つと言える「住宅」の営業を紹介しているが、26年で7000件もの住宅を売り、「城東の虎」と言われた伝説の営業マンが営業、ひいては仕事について「アツく」伝授している。

第1章「君はなぜ契約できないのか」
住宅のみならず、営業はお客様の意見や相談を受けつつも、そこから契約へと結びつかなければならない。「契約」はゴールでもあり、スタートでもある「営業」は契約するまで、そしてしてからのプロセスが大切であるという。

第2章「君はなぜお客様にもう一度会えないのか」
営業は「訪問」はつきものであるのだが、最近ではネットが台頭していることにより、「訪問をしない」営業スタイルも出てきている。しかし人との対話によりニーズ、さらにお客様にとっても満足感を得るために「訪問」を見直し、質を高めることが重要である。

第3章「君はなぜチャンスを生み出せないのか」
街を歩くと営業のみならず、ビジネス全般でいろいろなヒントやチャンスを見つけることができる。そのヒントやチャンスをいかにしてニーズとしてとらえ、生みだし、生かすことができるのか、契約のためのプロセスとしても重要な要素として挙げられる。

第4章「本当のゴールを勘違いしていないか」
第1章で「契約は「ゴール」」と言ったのだが、本当の意味での「ゴール」は存在しない。契約の先こそ失敗すると、その後の営業にも悪影響を及ぼす、むしろ契約を受け取った後こそ本当の「営業」が始まる。お礼やクレーム対応から逃げず、お客様に向けて誠意と感謝を常に表すことが大切である。

第5章「君はなぜニーズを引き出せないのか」
とはいえ「契約」を生み出すことが第一歩である。その「契約」に結びつけるため、お客様よりニーズを引き出す「商談」がある。お客様との会話のなかでどのようなコミュニケーションをとるべきか、本章にて伝授している。

第6章「なぜ商談が行き詰まるのか」
商談を重ねて行くと「行き詰まる」時がある。その「行き詰まる」原因はどこにあるのか、同じパターンの言葉を繰り返すこともあれば、無闇に時間を切り上げる、回数を重ねることが原因にある。即契約に結びつけるための商談をすることが大切である。

第7章「君はなぜお客様に納得してもらえないのか」
お客様に納得してもらえるための必須事項として「分かりやすい」説明が求められる。しかし分かりやすい説明だけではお客様は納得してもらえない。要望を聞くばかりでなく、現実を説明しつつ、自分たちの土俵に引き込ませることも大切である。

第8章「君はなぜ成長を止めてしまうのか」
小さな成功ばかりにとらわれすぎてはいけない。それは営業のみならずビジネス、人生全般に対して言えることである。その成功から学びではなく、むしろ小さな失敗から得られる糧を見つけ、そこからまた大きな成功に向けて日々鍛錬する必要がある。成功は単なる「一過程」に過ぎないのだから。

第9章「君はなぜ仕事を楽しまないのか」
仕事を「楽しく」するためには、大きな目標に向けて「耐え忍ぶ」ことと、絶え間ない努力をする事が大切である。小手先のテクニックを成長するだけでは、仕事そのものを楽しくすることはできないし、生活をする、あるいはぬるま湯のような感覚では「楽しく」仕事をすることはできない。

努力にしても、成長にしても、営業にしても、その業界、経済、そして国に対する「情熱」こそ大きな原動力となる。大言壮語であるのだが、その気になることができれば、営業もさることながら様々な困難も越えることができる。本書は「営業」のみならず、ビジネスに対する「情熱」を植え付ける、いわば「強壮剤」の一冊と言える。