貿易ビジネスの基本と常識

貿易ビジネスはあまり聞きなれない。しかし貿易を通じたビジネスを通じて、海外の商品を販売しようと考える人も少なくない。

本書ではいざ「貿易ビジネス」を始めようにもわからない人のために「貿易ビジネス」を始めるにあたっての基礎知識と仕組み、法律などの基本中の基本を伝授している。

第1章「輸入取引のしくみと流れ」
貿易ビジネスを始めるにはまず「輸入」で商品を仕入れることから始まる。
その輸入を行う仕組みと、ここで知っておくべき「条約」についてを本章では紹介している。

第2章「輸入取引のはじめ方」
第1章では基本的な流れと最低限守るべき「条約」を紹介したが、具体的に輸入先をどのように探すか、見つかったら今度はどのような商品を選ぶべきか、といったことの概要を紹介している。

第3章「輸入代金の支払い・保険の基本」
商品の選定が終われば今度は実際に商品の仕入れ、代金の支払い方法について伝授している。
さらに、仕入れを行うことができても、空難・海難事故により仕入れることができなくなることさえある。そのための「貿易保険」の概要と加入方法に至るまでの流れも紹介している。

第4章「輸入貨物の入荷・通関・引取り・国内販売」
第3章までは大まかな仕入れの流れであるが、そこから先についてが貿易ビジネスの中でもっとも大事なことであり、これを怠ってしまうと、仕入れたものを販売することができるだけではなく、国内外との信用を失ってしまう。
その「大事なこと」には通関手続きや関税設定、そして販売までのプロセスについて分かりやすく説明している。

第5章「輸出取引のしくみと手順」
「貿易ビジネス」は輸入販売だけではない。国内で生産した物を海外で販売する、いわゆる「輸出ビジネス」もまた「貿易ビジネス」の一つである。
その輸出ビジネスをするために本章では輸出販売をするための流れを紹介している。

第6章「貨物の船積・郵送」
輸出ビジネスの一つとして「商品の配送」がある。その中には「貨物の船積」や「郵送」もある。その方法として「信用状」や「船荷証券」、「インボイス」「パッキングリスト」などの「船積書類」の作成方法について紹介されている。

第7章「回収のしくみと手続き」
輸出によって販売を行ったら、今度は資金の回収である。ここでは「為替手形」や「買取依頼書」などの文書や有価証券の概要と作成の重要性について紹介している。

第8章「関連業務の知識と進め方」
これまでは輸入・輸出ビジネスについて紹介したが、ここではそれ以外の業務として「為替の予約」「輸送運賃の算出」などが紹介されている。

貿易ビジネスは様々な法律・条約が絡んでおり、かつ銀行や通関、運送業者などが絡むため、複雑かつ難しい。それをストーリー仕立てで基礎から学べる本はなかなかない。本書は初めて貿易ビジネスを始める人にとっては必読の一冊であり、かつ貿易に携わる人にとってもそのビジネスをつかむために重要な一冊と言える。