年末恒例ランキング2012 vol.3 「文芸・評論」本ランキング

今日のランキングは「文芸・評論」本のランキングです。今年は31冊取り上げました。昨年よりは若干少なくなってしまいましたが、それでもおもしろい本を取り上げることができたという印象はありました。(感想の善し悪しは別として)

今年取り上げた31冊の中から選りすぐりの5冊を紹介いたします。

第5位:会社ごっこ

会社ごっこ (本人本)会社ごっこ (本人本)
泉美 木蘭
太田出版  2008-06-11
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架空の作品であるとは言え、著者の実体験を元に書かれており、印象が強かった一冊でした。

第4位:タイガーズ・ワイフ

タイガーズ・ワイフ (新潮クレスト・ブックス)タイガーズ・ワイフ (新潮クレスト・ブックス)
テア オブレヒト T´ea Obreht
新潮社  2012-08-24
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セルビアの女性作家で、かつ同年代であることから親近感が沸き本書を手にしました。しかしその中身は紛争を描かれているのですが、著者自身も戦争に巻き込まれた過去があったことから生々しさは半端なものではありませんでした。

第3位:人魚はア・カペラで歌ふ

人魚はア・カペラで歌ふ人魚はア・カペラで歌ふ
丸谷 才一
文藝春秋  2012-01
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本書の著者であり作家・エッセイストである丸谷才一氏が今年10月に逝去されました。本書はその晩年に出版されたエッセイですが、丸谷氏ならではの文章・文体を味わうことができた一冊でした。

第2位:海の石
第1位:花の冠

海の石海の石
大越 桂
光文社  2012-02-16
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花の冠花の冠
大越 桂
朝日新聞出版  2012-02-17
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この2冊は3,11の惨劇から見出した希望を描いた詩集です。海の石のように動けなくなった少女が詩に目覚め、人の心を揺さぶる詩を作り上げてきました。やがてそれが花々となり「冠」となり、日本の心に広げさせる印象を持った一冊です。余談ですが、詩一つ一つを見ていくうちに涙腺が緩んでしまいました。

次回は「人文」本ランキングです。