あぶないハーブ ―脱法ドラッグ新時代―

最近のニュースでは「脱法ハーブ」などが話題となっている。法律上「違法」ではなく、かつそれを所持する事で検挙する事ができないため、警察のみならず厚生労働省をはじめとした中央省庁でも悩みの種の一つとして挙げられる。法規制に関しては急務が求められる。

さて「脱法ハーブ」と呼ばれる薬物はいったいどのようなものなのか、そして「脱法ハーブ」に限らず、「ドラッグ」と呼ばれる薬物の規制と脱法のジレンマ、そして「ドラッグ」のない未来は訪れるのか、本書はドラッグの現状と

第1章「ハーブと名乗る薬物―新時代に入った脱法ドラッグ」
「ハーブ」といえば「ミント」や「ジャスミン」「ローズヒップ」などきれいでいながら、様々な効果や香りを楽しむことができ、女性を中心に人気がある。
その一方で、最初に書いたような「脱法ハーブ」も「ハーブ」として存在する。その「脱法ハーブ」そのものが存在したのが2004年に「スパイス」としてヨーロッパで登場したと言われている。当時からヨーロッパではスパイスやハーブなど目新しくもあり、生活空間に溶け込みやすいように作られたせいか、若者を中心に急速に広がりを見せ、それと同時に健康被害も発生させたと言われている。
その「脱法」と呼ばれている所以には「合法カンナビノイド」と呼ばれる物質である。

第2章「イタチごっこ―規制と脱法、攻防の半世紀」
「脱法ドラッグ」は別名「デザイナー・ドラッグ」と呼ばれており、あるものを規制したとしても、新たな構造の物質をつくり、また新たな「脱法ドラッグ」として流通するというものである。簡単に言えば規制をしても新たなものをつくるという「イタチごっこ」が本章のタイトルにあるように「半世紀」以上も続いており、歯止めがかかっていない状態が続いている。

第3章「未来への負債―広がる健康被害」
脱法ハーブは今もなお使われており、使用したことにより病院に運ばれたこともあれば、死亡者が出た事例まで存在する。であれば「脱法ドラッグ」を違法にすればよいのだが、第2章にある「イタチごっこ」が起こり、結局健康被害に歯止めがかからないという現状にある。

薬物にも、科学にも「進歩」が存在するが、その「進歩」が「イタチごっこ」を引き起こしている。しかしその連鎖をどう止めるのか、それは難しいものなのかもしれない。「薬物」がある限りは。