ロンリー・コンバット!

「恋に年齢や年の差は関係ない」
と言われているが、ある程度「倫理」と呼ばれるような見えない空気が立ちこめられている。その「倫理」に振れられ社会問題に化することも少なくなく、過去にもそうなったことが起こった。

1993年のドラマ「高校教師」である。

2003年にリメイクされるほどヒットを遂げたが、教師と女子高生との恋愛を題材にしていることからドラマでありながら「社会的タブー」として週刊誌を始め話題となった。

本書もまた「先生と生徒」を取り上げているのだが、「塾講師」と「女子中学生」の恋愛を取り上げている。書くからに両者の関係はあたかも「塾講師はロリコンではないのか」ということを連想してしまうが、そのレッテルを原手いる印象が強かった。

健気で一途な「女子中学生」と、
ロリコンでマンガ・アニメ好きだけど世間体を気にする「塾講師」

その両者の恋愛は予想以上の「障害」があった。風当たりも冷たかった。当然「邪魔」まであった。それでも二人の「恋」は収まるどころか、いっそう強いものへと変わってゆく。その後の結末は、何とも中学生と講師との関係らしくもあり、これからを思わせるような終わらせ方をしている。

そうそう、タイトルにある「コンバット」とは「戦争」である。本書は社会とそれに取り巻く大人たちを相手にした、「恋の『コンバット』」を如実に表していると言っても過言ではない。