ポケット図解 日本銀行の仕組みがわかる本

昨日21日、黒田東彦氏が日銀総裁に就任した。「アベノミクス」と呼ばれる経済政策で、経済は上昇傾向にあるのだが、日銀としてどのような役割を担いながら、金融政策を推し進めていくのかが課題として上がっている。

黒田氏の就任会見で、2%の物価上昇を目標にした「追加金融緩和」を行うことを示唆した。まだ示唆しただけに過ぎないが、具体的な枠組みについては、これから検討し、公の場で発表されることだろう。

新たな日銀総裁が誕生したことも踏まえて、本書では日銀と主な業務、そして根幹たる「金融政策」の仕組みについての入門として、それらの役割や歴史について紹介している。

第1章「中央銀行の役割」
日本銀行は別名「中央銀行」と呼ばれている。また、日本銀行の主な業務は「日本銀行法」という法律によって決められており、主に、

・紙幣の発行
・物価の監視と舵取り
・政府の金庫番

と言った役割がある。

第2章「中央銀行の歴史」
「中央銀行」は日本で「日本銀行」であるが、他にもイングランド銀行(イギリス)やライヒスバンク(ドイツ)などが挙げられる。中央銀行そのものの歴史は17世紀のスウェーデン・リクスバンクや前述のイングランド銀行が始まりと言われているが、日本銀行はいつ頃から誕生したのか、というと1882年である。ベルギーの「ベルギー国民銀行」をモデルにしている。

第3章「中央銀行の業務と仕組み」
日本銀行の業務は「日本銀行法」によって定められているが、第1章では「紙幣の発行」について言及した。本章ではそのほかに「紙幣流通の調節」や「民間銀行の監視」などが挙げられている。

第4章「金融政策」
最初にも書いた「金融政策」だが、具体的にはどのような政策の事を言うのか、そのあらましを本章で紹介している。中長期的な目標を立てる、もしくは市場との対話がメインとなる。

第5章「金融政策の移り変わり」
金融政策が以下にして決められてきたのか、その歴史について日本経済の変遷とともに説明している。

第6章「金融政策の影響と対策」
その金融政策が決まる事によって市場は大きく変わる。「市場」といっても、私たちの所で見えるものでは「日経平均株価」といった株や為替の動きが挙げられる。

新しい日銀総裁が就任したが、これから日本経済はどのような舵取りとなっていくのか、そしてその舵取りによってどのように動いていくのか。それを注視するのも大事であるが、その前に日銀の存在について本書とともに見直すこともまた一つの手段と言える。