ケーキの歴史物語

男女問わずスイーツが人気を呼んでいる。
そのスイーツの代表格として挙げられるのが、本書で紹介する「ケーキ」である。
私も甘いものは好きであるが、ケーキ自体は誕生日とクリスマスといった「記念日」にしか食べない。その理由は単純に食べるきっかけがないから、としか言いようがない。

それはさておき、ショートケーキと言ったオーソドックスなものから、ノエルなど様々なケーキが存在しており、まさに「色とりどり」のケーキが楽しめるようになってきた。

そのケーキはどのような歴史をたどってきたのか、あるいは世界にはどのようなケーキが存在するのだろうか。本書は「ケーキ」にまつわる様々なことについて取り上げている。

第1章「歴史とケーキ」
ケーキそのものの歴史は非常に古く、判明しているものとして紀元前400年頃の古代ギリシャや古代ローマで食べられていた壁画が存在している。
そのケーキのルーツは「パン」であり、古代から近代にいたるまで「パン」と「ケーキ」は同一視されていた。
たしか「パンケーキ」というのも現在に至るまであるのだが、その原型がすでにできていたのかもしれない。

第2章「世界のケーキ」
古代ギリシャやローマから始まったケーキであるが、近世にかけてヨーロッパ全土に広がっていった。そのヨーロッパ大陸における「ケーキ」の文化は手を変え、形を変え、国それぞれの形が存在する。本章ではヨーロッパ大陸を中心に歴史上に登場したケーキなどを紹介している。

第3章「家庭で作るケーキの文化」
料理好き、ケーキ好きの方の中には、ご家庭でケーキを作っているかたもいることだろう。
その家庭でケーキを作るのにも文化が存在しており、本章で紹介されているのが「イギリス」、とりわけ「エリザベス一世」の絶対王政の時期である。
ただ、第1章でも書いたようにそのときは「パン」を作る傾向が強く、本当の意味で「ケーキ」を家庭でつくるようになったのは19世紀後期になってからのことである。

第4章「ケーキの儀式、その象徴性」
ケーキの形は様々であるが、多くは円柱状のもの、あるいは四角柱のものもあれば、ノエルのようにあたかも「俵型」のようなケーキも存在する。
私事でも書いたのだが、よくケーキが作られ、食べられる時は「誕生日」などの「記念日」が多い。
では、なぜ「記念日」にケーキが食べられるのだろうか。その要因として誕生した国々の「風習」として生まれ、それが日本などの他国に伝藩していったという。

第5章「文学とケーキ」
近代文学作品にもケーキは多く取り上げられている。代表的なものとして「赤毛のアン」や「失われた時を求めて」「不思議の国のアリス」などがあげられる。
また取り上げられている作品でも「食べられる」ケーキ、「お飾り」のケーキとして扱わたり様々である。

第6章「ポストモダンのケーキ」
「ポストモダンのケーキ」として代表されるもで「カップケーキ」が取り上げられている。「カップケーキ」というと市販されているものでも100円ほどで売られているものがある。ほかにもマドレーヌやタルトなどカップ状のものを使われたケーキもある。

食べものには様々な歴史や文化があるとおり、ケーキも歴史は長く、様々な文化や風習が取り入れられ、現在のように「色とりどり」の存在になった。食べられ方や風習もまた長い歴史のなかで醸成されていったことを本書で教えてくれる。

本書を読めば甘いケーキも深みがでてくる・・・かもしれない。