上位20%に入れる人だけが一生成功する ~会社が必要とする人の成功法則~

著者の横山様より献本御礼。
プロスポーツや芸術の世界では完全ある実力主義の世界であり、上位1%くらいの人しか成功しない、と言われているほど、血が滲むほどの努力をし、人気を得なければ生き残れないという実情がある。一方でビジネスの世界は、というと、リーダー論や真名ジャー論の権威である、マーカス・バッキンガムが言うに「上位20%」の人が生き残り、かつ、成長・成功をし続けられると言われている。スポーツや芸術といった完全実力主義とは違い、上位に入りやすい環境にいるビジネスの世界だが、戦略的に入るようにするにはどうしたら良いのかを見定め、行動し続けられる人でないと入ることができない、厳しい世界である。

Chapter1「上位20%の人は、成功し続ける」
本書で紹介されている「上位20%の人」が成功し続けられる仕組みとは何か、についてはChapter2以降で説明されるのだが、ここでは「上位20%の人」の心構えを取り上げている。

Chapter2「上位20%の人は、「えこひいき」されている」
一つ目は「振る舞い」である。ビジネスの世界は多かれ少なかれ「コミュニケーション」が重要な役割を担う。その「コミュニケーション」とは何か、という問いがあるのだが、総論的な問いは本書では紹介しない。その代わり本章にて、周囲の人、あるいは部課の枠を越えて味方につけることを目的に「えこひいき」されるような「振る舞い」そのものを「コミュニケーション」と定義している。
本章では「上位20%」にはいるコミュニケーションを9つ「聴く」「与える」などの点に着目しながら紹介されている。

Chapter3「上位20%の人は、選択と集中ができる」
ビジネスでは常に「選択」に迫られる時がある。それは上級職に行けば行くほど、というイメージもあるのだが、小さな仕事でも常に選択されることもあり、選び方・決断によって、自分にとって、ひいては会社にとって利益や損失をもたらすことさえある。
そのため「上位20%」の人は小さな仕事でも「正しい」選択をするための「集中」力を磨き、大小問わず正しい判断をする事ができる。

Chapter4「上位20%の人は、「忙しい」と言わない」
本章は「時間管理」の事を指している。「忙しい」と言うことを連呼する人は「『心』を『亡』くすほどスケジュールを詰める人」、あるいは「スケジュールを詰めるほど時間を浪費している」ということに陥る。
時間を「効率的」に使うことは他のビジネス書でもよく言われることだが、本書のコンセプトは「上位20%」にあるため、その位置にいるための方法を紹介している。

Chapter5「上位20%の人は、全速力でタバコを買いに行く」
最後はモチベーションである。仕事を進めていく上で「モチベーション」である。常に高いモチベーションを維持することは不可能に近いのだが、モチベーションを上げる、またはできるだけ維持するために様々なきっかけを見つけ、モチベーションにつなげている。例えば本章のタイトルである「全速力でタバコを買いに行く」と言うことは「自分のため」ではなく、「相手のため」に行っている。小さいところでも常に全力で尽くすこと、それがモチベーションにつながると言うわけである。

著者は現在、東証一部上場企業の役員を務めているが、以前は会社に行くことそのものがつらくなるほど、どん底の状態であった。「地の底をのたうち回る」と言うほどではないのだが、仕事にやりがいをなくし、家族にも客にも罵倒され、自信をなくし、生きている心地が無かったのだという。生きている心地がしなかった毎日から脱し、そこから「上位20%」に入ったのか、それは「上位20%」に入るためのメソッドの中に詰まっている。いま、下降線に辿っている方々にとっては浮上するきっかけをつけ婿とのできる一冊である。シェークスピアの「マクベス」という戯曲にあるとおり、「明けない夜はない」のだから。