プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法

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株式会社オトバンク  上田様より献本御礼。
法廷では様々な「心理戦」が繰り広げられているのだという。私も約10年前に1度だけ社会見学で裁判を膨張したことはあるのだが、理詰めで追い詰めているよりもある意味で、心理的に反省を促すシーンを想像してしまう。そのときはたまたま刑事事件の裁判だったのだが、被告に反省を促すようなやりとりがあたかも「心理戦」のように見えていたのは今でも記憶に残っている。
裁判のやりとりというと、理路整然としていて、激しいやりとりが行われているように見えるのだが、実は理性の中に「心理」と呼ばれるなかで、証拠などの情報を以下にして出していくかも繰り広げていくのだという。

1章「この「友好ムード」で手強い相手は“従順”になる」
人間は他の動物にはない「理性」を持っているが、「動物」にある「感情」や「本能」も併せて持つ。弁護士というと理詰めで人を擁護したり、あるいは追い詰めたりするようなイメージであるのだが、それ以前に「感情」を以下にして対処し、被告、あるいは原告との関係づくり、が大切になる。しかし原告や被告の立場の場合、本能や感情に支配されることがあり、時として裁判の中で相容れられないような発言や行動をするようなことがある。
本章では関係づくりの中で、道具選びから、感情への対処の仕方、好かれ方、証拠づくりと言ったことを紹介している。

2章「ムダな争いを避ける「落とし所」の見つけ方」
感情を対処することは「ムダな争いを避ける」事にもつながる。それは敵対関係から民事訴訟の場合、慰謝料などの要求を引き上げたり、刑事訴訟の場合は刑を重くしたりして欲しい、と言った感情がある。
そこで本章では怒りなど「負の感情」を抑えるための方法として「メリットを探す」「欲求を探る」「抽象化する」などの方法を紹介している。

3章「ムリせず誘導できる「五つの心理技法」」
ここから「感情」について対処を行った後の「理性」に誘導するための架け橋となる章である。
それは、感情を抑えながら「質問」「説得」を利用することによって、相手を誘導しながら、自分たちにとって有利な証言や証拠を引き出す方法を紹介している。
元々裁判における「証人尋問」などでよく使われている方法であるが、人間の感情や考え方を理性的に活用し、引き出すことはビジネスの世界でも通じるところがある。

4章「論破されない「交渉術」」
ここからは「相手を説得する」ための交渉術について紹介している。裁判などの「議論」を行うときに「論破する」と言ったことを行う人も少なくない。しかし「論破する」だけでは、相手にとって有益な情報を得ることができないし、妥協点そのものの無い。
そのため「相手に論破されない」ことを念頭に置きながら、感情と理性を上手く使って、情報を提示したり、前提を疑ったりして尋問を行うといった方法を伝授している。

5章「経験を肥やしにする!折れないメンタルのつくり方」
感情を抑えながら、論理的に誘導すると言ったことで相手の主張などを引き出しながら交渉を続けているが、結局の所、人間は完全に「論理的」になることは、機会にならない限り非常に難しい。その理由として「メンタル」があり、メンタルの善し悪しによっては論理的に通じているものでも、交渉事で不利な状況に追い込まれてしまう事さえある。
本章では自らの失敗をもとにして、メンタルのつくり方について伝授している。

裁判は証拠や内容をもとにして、論理的に戦う場であるというイメージは前々から持っていた。しかし論理を交えながらもメンタルの面でも戦いつつ、相手を誘導し、交渉を行うとだという。「交渉」に関してはビジネスの世界に限らず、本書で紹介した法廷の場でも、さらには海外との「外交」でも同じ事が言える。庭は違えど「交渉」力をつけることは必要なスキルであることを、弁護士の立場から説いている一冊である。

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