リストカット―自傷行為をのりこえる

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「自傷行為」として自分の手首をカミソリなどで切り、自殺をしようとする行為を「リストカット」という。そのリストカットは自殺とまでは行かなくても「自傷」として自分を傷めつける、というような行為そのものが、人の心の「闇」を行為として抉り出している。
「自傷行為」は「リストカット」に限ったことでは無く、ピアスや刺青なども挙げられているのだが、なぜ人は「自傷行為」に走ってしまうのだろうか。本書は心の「闇」などの精神状態とともに、傾向と対策を追っている。

第一章「自傷行為とはなにか?」
自傷行為としても自分自身の「噛む」「殴る」「(刃物で)刺す」といったようなものが挙げられる。自殺のような自分自身を殺すことはせずに、傷つけるといった事を「自傷行為」と言い、自分自身が死ぬ前提で傷つける行為を行うと「自殺」、死なずに済んだ場合は「自殺未遂」となる。

第二章「ダイアナ妃の苦悩」
1997年不慮の交通事故で帰らぬ人となった、ウェールズ公妃・ダイアナは結婚当初から自傷行為を行っていたという。本書では「階段の上に立ち、身を投げた(p.26より)」が挙げられている。元々子爵子女だったのだが、いきなり王室に嫁がれたことから適応障害が起こり、夫婦関係が冷めてしまい、自傷行為    を行っていたのだという。公に発表されたのは無くなる2年前のことだった。

第三章「さまざまな発生要因」
本章では「自傷行為」に走る要因について考察を行っているのだが、その要因として「宗教的」「習俗的」な理由もあれば、焦燥感や怒りを和らげるための行為もあれば、自殺を行うための自傷行為もある。

第四章「マリリン・モンローと南条あや」
有名の度合いは違えど、前者のマリリン・モンローはセックスシンボルとして、女優として名を馳せたが、人気絶頂の時に服毒自殺を遂げた。後者の南条あやは20世紀末にネットで一世を風靡した高校生であり、自傷行為を行う高校生として名を馳せた。度重なるいじめや不登校を経験し、「卒業式は死にません」という本が話題となり、宣言どおり、卒業式後に自殺をした。

第五章「三つのモデル症例」
第四章では有名人物の自傷行為について取り上げてきたのだが、本章では「モデル症例」として実際に自傷行為を行っている20代前半の男女にインタビューを行い、自傷行為とそのきっかけについて綴っている。

第六章「精神疾患との関係」
自傷行為を精神疾患の関連性はあるのだという。さらに「精神疾患」をいくつかに分けると、「うつ病」などに代表されるような「感情障害」もあれば、アルコール依存症、薬物依存症、発達障害やパーソナリティ障害などが挙げられおり、症状によって自傷行為のパターンも分かれるのだという。

第七章「自傷行為への対応」
自傷行為は「精神疾患」ということであれば、家族や学校などの関係者には看過できない問題である。しかし「精神疾患」そのものもそうであるが、「自傷行為」自体も理解できない人もいるため、最初に行うことは「理解」をすることである。そのことによって支えができて、救いが生まれ、自傷行為を治療に近づけることができる。

第八章「自傷行為への治療」
「自傷行為」の治療方法は、精神疾患と似ているのだが、疾患度合いによってカウンセリングだけになったり、精神的に安定させる薬物を投与させたりするケースがある。第五章で紹介した3人に対しても治療を行っており、本章では治療経過について、治療方法や家族・周りへの理解など、事細かに綴っている。

第九章「さまざまな対処法・治療法」
第八章で取り上げた治療法の他にもカウンセリングとして細かく「代替技法」や「認知療法」などの治療方法を紹介している。

あなたの周りに「自傷行為」を行っている人はいるかもしれない。その人達を見過ごすことなく、理解を示し、時間はかかるものの、絶えず治療を続けていくことによって、初めて「自分」を取り戻すことができる。「自傷行為」は単純に自分を傷つけている事ではない。傷つけることによって相手に理解を示したい、あるいは相手に対して助けて欲しい、というSOSのメッセージである。

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