これからの日本のために 「シェア」の話をしよう

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2010年末に「シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略」という本が発売され、「フリー」と同様に売れた。これはビジネスにおける「共有」について取り上げた本であるのだが、今ではSNSをはじめとした「ソーシャルネットワーク」、商品、ビジネス、さらにはルームなど、「衣食住」や「仕事」などあらゆるものが「シェア」され始めている。
特に「住環境」ではネガティブな話題が多いものの「シェアハウス」が増えてきており、労働でも「コワーキングスペース」が次々とできて、メディアでも取り上げられ始めている。
本書は日本で広がり始めている「シェア」は社会・経済など様々な角度から、どのように「変化」を起こしているのだろうかを取り上げつつ、これからの日本の社会・経済を予見している。

第一章「なぜ今日本に、シェア型の価値観、行動が必要なのか?」
日本に限らず、時代は様々な変化を生じている。現に、高度経済成長で起こっていた「大量生産・大量消費」の時代が終わり、個性化・高級化の消費へと変化し、2010年以降には「シェア」の消費・自分に変貌を遂げていった。さらに言うと、大量消費の反省を受けてか「エコ」の概念が強くなっており、シェアの概念と共に意識が拡大した。

第二章「すでに広がっているシェア型の消費ビジネス」
「シェアビジネス」の概念は「シェア」の考えが浸透する前からあったのだが、2010年代に鳴って急速に伸びていった。「シェアビジネス」と一口に言っても「カーシェアリング」「衣装(ドレスなど)のシェア」「シェアハウス」「レンタルビデオ・DVD」「中古本」などがあり、ヴァリエーションも豊富にある。中には高級ブランドのレンタルまでも存在する。他にも「シブヤ大学」といった渋谷の色々な場所で講義を行いながら、知識や経験をシェアしていく、と言うことも行っている。

第三章「シェア型ビジネスによるコミュニティの活性化」
最近では「シェアハウス」について話題に上がっているが、「建築基準法の規定に達していない」「貧困ビジネスの温床」などといったネガティブな声が中心となってしまっている。以前に書評したときに言及したのだが、元々はアメリカからやってきたものであり、1990年には行ってゆるやかに浸透し始めた。特に急速に伸ばしてきたのは2000年代後半以降のことである。快適感とセキュリティの良さを語っているが、最近では、セキュリティや防災などの難点のあるシェアハウスも出てきており、ネガティブイメージの払拭が急務と言える。
さらに「シェア」でいうと、「コワーキングスペース」や「レンタルオフィス」なども出てきており、起業家やフリーランスの方々が使われる事も多くなっている。さらにはコワーキングスペースでユニットを組んでプロジェクトを立ち上げる、というケースも出てきており、住環境・労働環境でも「シェア」が進んでいる。

第四章「シェア型経済をリードするのはどんな人か?」
私たちのような「嫌消費世代」と言われている方々は、「シェアハウス」をはじめとしたコミュニティに入りたいという人が多いという。その理由として「家賃が安いから」と言う人もいるかもしれないが、実際にそれが大多数ではない。年収別の統計も本章に掲載されているが、年収によってシェアハウスに住みたい・住みたくないに分かれている分けではない。では、なぜ若い世代ほどシェアハウスに入りたい、と人が多いのだろうか。その理由としては「エコ志向」にあり、人との出会いや仕事や趣味に積極的になるためにシェアハウスに住みたい、と言う人が多いのだという。

第五章「無縁社会からシェア社会へ」
昨年・一昨年あたりから「無縁社会」と言う言葉が話題として上がっている。良かれ悪かれ話題となったNHKスペシャルで「無縁社会」を題材にした放送が大きな反響を得たのがきっかけとして挙げられる。シェアハウスをはじめ「衣食住」から「労働」のシェアが高まっていることにより、人と人とのつながりが薄れていく状況に歯止めをかける絶好の機会となる。

「シェア」の概念はビジネスだけではなく、普段の生活にまで浸透しており、これからもシェアの潮流は進んでいくだろう。しかし昨今の「シェアハウス」の問題にある、「貧困ビジネス」の温床から脱するためにはどうすれば良いのか、民間の中で寝る必要があるのだが、「闇は深い」という他ない。新しい潮流が来るたびに、それにつけ込み「闇」に陥れようとする輩をいかにして排除すべきか、本書は利点と現状を取り上げられているが、昨今のニュースと会わせて考えてみると、複雑のような気がしてならない。

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