未来の回想

SF

本書の小説は、80年以上前に書かれていたものが、復刻に近い形で翻訳されている。80年前にかかれたSF作品でありながらも、色褪せていないと言うから驚きである。

本書は「タイム・マシン」の製作に捧げた男の物語であるが、近き未来、そして遠き未来へと行くために、激動の時代を予見しているかのようなスリリングさも含まれている。

「タイム・マシン」というと、ドラえもんに出たり、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に出たりするようなことを連想するのだが、本書に出てくる「タイム・マシン」は結構複雑に作られているのと同時に、当時あった技術を結集して集められているように見える。

タイム・マシンが作られるまでの展開はジェットコースターの様であるが、同時にいつまでも色褪せない作品である理由の一つである、人間としての本質を本書のストーリーでは問うているような気がしてならない。

80年以上の時を経て、あたかも「タイム・マシン」が名作を運んできてくれたような、そう言う感覚にも陥ってしまうような一冊である。