日本の電機産業に未来はあるのか

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今、日本の電気産業は危機に陥っている。先のシャープの経営問題もさることながら、最近ではソニー、電気産業ではないものの近しい存在として任天堂が3期連続赤字を出してしまいソニーでは主要事業の一つであるVAIOブランドの売却を決めた
しかしこの「電気産業の危機」は今に始まったことでは無い。「失われた10年」と呼ばれた時代から現在進行形で続いており、とりわけ奈落の底と言われた2009年もあったのだという。本書は衰退しつつある電機業界の現状とこれからの展望について追っている。

第1章「2009年、奈落の底へ突き落とされた電機業界に光は差すのか」
電機産業が急降下した原因は、2008年9月に起こった「リーマンショック」によるものが大きい。他にも電気業界内では「デジカメ」「液晶パネル」などの販売が不振になったこと、さらには「リーマンショック」に関連して急速な円高によって、輸出に大きく響いたことが挙げられる。

第2章「2010年以降の中期見通しと避けられない構造変化」
リーマンショック以降、電機産業に限らず、ほとんどの業界が勢いを失い、損失を被ってしまった。本書が出たのは2009年なので、ここでは展望について描かれているが、実際の景気は「二番底」と呼ばれるような状態にあり、先行きが不透明になり、企業によってはリストラの状態になった。さらに円相場も1ドル76円となるような「超円高」の状態にもなった。

第3章「電機業界の「失われた10年」を総括し、今後の業界再編を占う」
バブル崩壊以後、2003年あたりまで低成長時代に入った、いわゆる「失われた10年」と呼ばれる時代があった。その時代のなかで、高度経済成長のなかで隆盛を極めた、電機産業であったのだが、経営の在り方そのものが疑問視され、岐路に立たされていた。その後電機産業のなかでも多岐にわたる商品・事業を展開した結果、四面楚歌の状態にある。その状態は「総括」はされつつあるものの、事業撤退やリストラといったネガティブな側面で行われている。

第4章「技術はどのように発展するか、それはどのように予測できるか」
電機産業が岐路に立たされている状態でも、技術革新は進んでいる。技術革新をしているのだが、海外に対抗できるかというと、そうではなく、アップルやサムスンなどの海外企業によって淘汰されている現状がある。

第5章「主要なエレクトロニクス企業の紹介」
本章では主要な電機メーカーを1社ずつ、全盛期から現状、さらにはそれぞれの事業内容に至るまで事細かに紹介されている。低成長になってもしぶとく成長し続けている企業もあれば、景気の煽りを受けて憂き目に遭っている企業も存在する。

日本はかつて、自動車や電機などのメーカーが海外に向けて商品を売り込み、成長を遂げることができた。しかし現在は海外の企業に押されてしまい、見る影もない企業もある。これからの電機産業はどのような状態になるのか、それは現状を見ただけでつかむのはなかなか難しい。しかし「明けない夜はない」という言葉があるように、浮上するきっかけはどこかにある。それを見つけられるか、見つけられないかの差は、企業トップの見る目によるという他無い。

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