メディアのなかのマンガ―新聞一コママンガの世界

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私自身マンガを読むことは多々あるのだが、このマンガはメディアと切っても切れない関係にある。国民的アニメにまでなったマンガ「サザエさん」も当初は朝日新聞の4コママンガで当時の世相を風刺した作品として取り上げられた。もちろん他の新聞4コママンガにしてもそうである。
では、新聞や雑誌などメディアの中でマンガはどのように扱われてきたのだろうか、本書はメディア論としての「マンガ」を取り扱っている。

Ⅰ章「序論」
ここではⅡ章以降でどのような研究を行い、考察を行ったのかを取り上げている。そもそも本書は研究論文であるため、概要的な所を取り上げる必要がある。

Ⅱ章「新聞カートゥーンの歴史」
本書は新聞などのメディアにおけるマンガとして取り扱っている。そのため4コママンガだけではなく「風刺画」と呼ばれる一コママンガも同様に取り上げている。サブタイトルに「一コママンガの世界」と書かれているのもそのためである。

そもそも新聞マンガを取り上げる前に、「新聞」そのものの歴史について取り上げる必要がある。新聞が初めて出たのは1605年に、フランスのストラスブールにて週刊新聞「Relation」が刊行されたことが始まった。日本では独自に1612年頃に「瓦版」として取り上げられたのが始まりである(現存している物で最古だが、本当の起源は不明である)。

ではマンガが登場したのはいつ頃で、新聞マンガが誕生したのはいつ頃なのだろうか。これは世界各地で独自に生まれているため、現在でもはっきりとしないのだが、少なくとも日本では平安時代の絵巻物である「鳥獣人物戯画」である(2013年10~12月に放送されたアニメ・京騒戯画のモデルにもなった)。そこから新聞から風刺としてのマンガが入ってきたのは新聞誕生とちょうど同じ時期であるという。
余談だが、本書の目次と章内のタイトルが、このⅡ章だけ一致していないが、おそらく装丁ミスだろう。

Ⅲ章「「カートゥーン」研究の流れ」
著者がこの研究をしようとしたきっかけが1954年にアメリカのある研究者が「新聞」と「マンガ(カートゥーン)」について継承をならしたのだという。その理由として文字の読めない人にも伝わりやすい「カートゥーン」の人気が高まってしまう反面、影響を失っていくという主張である。その主張が正しいのか、それを検証すること、さらに新聞と読み手のコミュニケーションツールとしての「カートゥーン」はどのようなものなのか、それらについて考察を行おうとしている。

Ⅳ章「事例研究―第44回衆議院選挙における政治漫画の分析」
研究題材として扱われたのは2005年、「小泉旋風」が巻き起こった「第44回衆議院選挙」である。この時の選挙には「郵政解散」もあれば、「造反」「小泉チルドレン」など様々なものが出てきた。それが一つ一つ風刺となって表れているため、題材として取り上げられやすかったのかも知れない。

Ⅴ章「結論と課題」
Ⅰ章からⅣ章までの結論とそこから起きた課題について取り上げている。メディアに関する研究、さらに新聞マンガに関する研究、コミュニケーションに関する研究など、課題は様々な分野にある。

新聞を読む機会は毎日とまでは行かない物の、読む。その際に本書で取り上げるマンガも読むことはあるのだが、他愛のない話題もあれば、本書で取り上げるように「風刺」をしているマンガも存在する。それぞれの状況の中で新聞とマンガそれぞれの相乗効果はあるのだろうか、そして新聞マンガはどのように扱われてきたのか、その過去を知り、未来を窺う機会となる一冊である。

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