100回言ってもできないダメ部下を動かす上司の言葉

著者の横山様より献本御礼
会社という組織にいると当然「上司」「部下」は存在する。部下にとって嫌な上司は存在する一方で、上司の立場を見ても嫌な部下、あるいはダメ部下と呼ばれる存在もいる。しかしダメ部下をどう接していくのか、頭を抱えている上司もいて、扱い方によっては部下の態度を硬化させてしまうことになってしまい、コミュニケーションが上手く行かず、部下は配置換えを希望したり、最悪の場合退職したりしてしまう。

そういってダメ部下を厳しく接するのも一つの方法だが、言葉で救うのも一つの方法である。本書は、ダメ部下を動かす、救うための言葉を紹介している。

第1章「仕事のルールが守れない部下を改心させる上司の言葉」
「仕事のルール」は明記されているようで、モラルとして存在するものである。「遅刻をしない」「嘘をつかない」「仕事の期限を守る」「整理整頓をする」「挨拶をする」「会議で発言をする」と言ったものが一例として挙げられる。しかし新入社員をはじめ、若手社員の中にはそのルールを知らない、守れない、と言う人も少なからずいる。その際に頭ごなしに怒っても治る人もいるが、大概反発してしまう。その際に使う言葉や行動を紹介している。

第2章「言い訳が多い部下を動かす上司の言葉」
若手社員の多くは「私の仕事ではない!」や「やる意味があるんですか?」と言うような言い訳を聞いてくる。最近ではそういった若手社員が多くなっていて危惧しているというニュースもよく聞く。
その際に上司はどのような言葉を書けたら良いのか。怒ることよりも、部下の背中を押す言葉をかけることによって部下のモチベーションも上がる。

第3章「結果を出せない部下にかけたい上司の言葉」
いくら新入社員とはいえど結果を出すことが肝心になるが、新入社員の時はどのようなことをすれば分からず、教えられたことを必死に学んで、血肉にしていくので精一杯になってしまう。その際のアドバイスのかけ方から、激励、背中を押す言葉などが本章にて紹介されている。

第4章「ダメ部下もついていきたくなる上司の言葉」
部下が「ついていきたい」「ついていきたくない」という基準はまちまちであるが、「ダメ部下」という烙印を押されてしまうような人でも上司のひと言で大きく変わり、組織として大いに活躍するケースも存在する。「ダメ部下」と言っても本当の意味で能力がない人はほとんどいない、むしろ組織になじめないと言うか、活躍するきっかけを掴めていないかなど、どこかに原因がある。
それを見抜き、ひと言投げかけることによって、文字通り良い意味で「大化け」する。そのケースと言葉を本章では取り上げている。

第5章「それでもしっかり働いてほしい女性部下に伝えたい上司の言葉」
女性の扱い方は非常に難しい、心ない一言で落ち込むだけではなく、反発をしてしまう、あるいは組織になじめず退職してしまい、上司への悪評が流布されるというようなことにもなりかねない。本章では女性の部下を持った時、どのような言葉で接したら良いのかを紹介している。

どんなに説明しても理解してもらえないこともあれば、たった一言の言葉で救われて、上司でもビックリするほど活躍する部下もいる。その部下の力を目覚めさせる、あるいは機会をつくるのも上司の役割としてある。「使う」ことも確かに大事だが、それ以上に「育てる」という心が大事である。本書には色々な言葉が例示されているがそれを覚えるだけでは上手く行かない。むしろ言葉を通じて部下をどう接していくのか、心構えを持つことで本書の価値は高まる。本書はそんな一冊である。