それでも、自転車に乗りますか?

私は自転車にあまり乗らない、というか、大学生になってから頻度が大きく減り、社会人になってからは全くと言っても良いほど乗らなくなった。ましてや川崎にいた頃に何の理由だか分からないけれどレッカーされてしまったため、現在は自転車すら持っていないと言う状況にある。

現在では原則車道が遵守されている中、自転車が歩道を走ると言うケースも少なくない。実際に鎌倉に住んでいて、散歩中に自転車が歩道を走っている人もよく見かける。

それはいったいなぜなのだろうか、そしてこの自転車による交通事故も起こっており、自暴事故にまで発展しているケースもある。さらには高額の賠償請求まで欠けられたのだが、自転車と歩行者との共生はどのようにあるべきなのか、本書は自転車に対する現状とこれからについて考察を行っている。

第一章「自転車の運転につきまとう、さまざまな障害」
自転車を運転していると様々な「障害」があるのだという。例えば路上に放置されているゴミ箱・ゴミ袋もそうだが、他にも歩道に自動車が駐車されることもある。そういったものは自転車運転の障害だけでなく、歩行者にとっても「障害」になってしまう。特に交通量の多い所でそんなことをやられると、迷惑きわまりないのだが。
しかし自転車における「悪質運転」は自覚のないまま行われることが多い。特に飲酒運転は法律上自転車でもダメにもかかわらず、運転する人もいれば、携帯をいじりながら、音楽を聴きながら、という危険なものも軽い気持ち、もしくは罪悪感なしで行われる事が多い。

第二章「自転車はどこを走ればいいのか」
自転車を運転している人の中には歩道で運転して良いのか、車道で運転しなきゃ行けないのか悩むケースも存在する。原則として法律上は車道で運転しなければならないのだが、標識で歩道では知って良いところも存在する。歩道によっては自転車専用・歩行者専用とくっきりと分かれている所も存在している(以前川崎に住んでいたが、家の近くにはそう言う歩道が存在している)。
しかし道によってまちまちなので、選択するのは難しいという。

第三章「自転車事故の加害者になるということ」
著者自身は自転車事故の加害者になった事があるという。自分自身もスピードの出し過ぎによってあわや事故になると言うこともあったのだが、扱いやすい自転車であるだけに、自転車を危険なものという認識を薄れてしまっている。そのため気付かぬうちに交通事故を起こし、加害者になってしまうケースもある。

第四章「それでも自転車に乗りますか?」
自転車事故は現在でも起こり続けており、死亡時効に発展しているものも少なくない。大概の場合、自動車は保険をかけることが多いのだが、自転車には、専用の保険はあるものの、加入されているかというとそれほど多くないと言える。しかし自転車は道路交通法の上で「車両」として扱われる。その意識を十分に持たなければ、事故の加害者になる事にもなりかねない。

第五章「自転車社会の先進事例」
自転車はどこの国でも使われるのだが、自転車事故を減らす、あるいは自転車に対するモラルを築かせるためのケースについて北ヨーロッパや韓国など海外の事例をもとに紹介している。

私はしばらく自転車に乗ったことがないのだが、それでも自転車は便利な移動手段である。しかし便利である以上、リスクはつきものである。自転車を乗りこなしている人であれば是非本書を手にとって、自転車に対する認識を少しでも変えた方が良い。