「ありがとう」の人生―足立大進仏心講話集

「ありがとう」にまつわる本を取り上げる際に、よく「ありがとう」の偉大さ、尊さ、そして不思議さを思い出してしまう。とりわけ「不思議さ」の印象が強く、それは何なのかと言うと、人から「ありがとう」と呼ばれるとよほどの皮肉になら無い限り、「ありがとう」と受ける人は悪い気がしなくなる。

本書では「ありがとう」や「ご縁」「お陰さま」などよくある言葉の尊さであったり、心を育てる言葉であったりと、自分自身の心のあり方について説いた一冊である。臨済宗円覚寺の派管長にいる著者であるだけに、仏教における様々な修行を経て、開いた悟りがここに詰まっている。

人間はどのような存在か、善い人生を送ることはいったい何なのか、その教えが本書にある。