そなえることは、へらすこと。

「備え」と言う言葉は今も昔も存在するのだが、その「備え」の重要性を見出したのは2011年に起こった「東日本大震災」である。その日をきっかけに、防災用品もさることながら、非常用のものがスーパーに所狭しとならんだ事も知られている。もっと言うと、都心でもひどいところで震度5強の大地震に見舞われ、自宅が揺れでものが崩れたり、ガラスなどが割れたりして大惨事となったご家庭もあったという。

その備えとして本書では「へらすこと」を提示している。本書を見ると、よくノウハウ本でいう「整理術」、もしくは「片づけ術」というような事を連想してしまうのだが、そうでは無く、「ものを生かす」ためにものを減らし、小さな工夫でもって、シンプルに生きるというものである。「シンプル・イズ・ベスト」と言ってしまえばそれまでだが、シンプルの中にも「自然」と共生しているような生活を行う道標を示しているのが本書とも言える。