ジェネレーショノミクス~経済は世代交代で動く

あまり聞き慣れない用語である「ジェネレーショノミクス」だが、「ジェネレーション(世代)」と「エコノミクス(経済分析)」を掛け合わせた造語であり、世代論に基づいて経済的な変化が起こると言うこと説いている一冊である。先の「ジェネレーション」の議論、いわゆる「世代論」は往々にして「若者論」に偏りがちになっていくが、本書では「世代交代」にフォーカスを当てて経済の循環と変化について取り上げている。

本書では難しい経済理論もあるのだが、「ナニワ金融道」や「闇金ウシジマくん」といったマンガ作品まで登場しており、経済本でありながらも経済が苦手な方、あるいは経済学についてあまり知らなくても取っつきやすくできている。

さらにいうと、若者が直面している「就職難」や「嫌消費」といった減少にも言及しつつ、そのような状態の中でいかにして経済を変化させていくのかを説いている。実際に経済を「良くする」と言うよりも、「変化をする」と言うのが重要で、昔成り立っていた経済理論は社会情勢によりなり立たなくなる。そのため現状を鑑みつつ、元々ある理論を照らし合わせ変化をしていくこと、さらに世代の循環も照らし合わせた変化を持つ事で経済は成長することを説いている。