くじけてなるものか 笹川良一が現代に放つ警句80


皆さんは「笹川良一」をご存じだろうか。もう亡くなられて19年の月日が流れるのだが、今でも「右翼のドン」や「政界のフィクサー」として名の知られている人物である。右翼団体の総裁を勤めた一方で、衆議院議員、さらには財団法人の会長や大学の理事長まで勤め上げた人物であった。他にも起訴はされなかったものの、A級戦犯として指名され「巣鴨プリズン」に入獄した時期もあり、獄中の事を事細かに綴った「巣鴨日記」は大ベストセラーとなったが、「巣鴨日記」自体は笹川良一の死後に公表されたものである(ちなみに「巣鴨日記」は他にもA級戦犯で起訴された畑俊六重光葵のものも存在する)。

その笹川氏が遺した言葉は数多くあるが、本書は80の「警句」と言う形で取り上げている。あくまで「名言集」ではなく、「警句集」と言う形である。
なお当ブログでは印象に残った「警句」をピックアップして解説していく形とする。

<災いを転じて生かせ、福となせ>
「まだ十分に使える家電製品などが大量に廃棄されている。
 電気冷蔵庫、洗濯機、テレビなど、日本人は直して使う文化まで
 どこかに捨ててしまっただろうか」(p.24より)

今となっては粗大ゴミとして捨てられ、家電リサイクル法にて、有料ながら家電をゴミとして捨てられる。そのくせテレビや冷蔵庫、洗濯機は日に日に進化をしているので、最新のものを買いたがる。とは言っても「もったいない」と思って修理に出す人もいるのだが、近年はその傾向が少なくなっている事から警句として発したのかも知れない。

「もっとも大切な酸素は草木とか水から発生する。
 五十年、百年先を考えて水の確保、浄化、植林の推進政策は不可欠だ。
 水資源を大切に」(p.38より)

これは少し考えが異なるが、とりわけ「水資源を大切に」が重要である。というのは、最近では北海道をはじめとした水資源の土地が海外に売られているためである。他にも水質汚染はもちろんのこと淡水の枯渇も出てきており、「地域紛争」の様相がある。こちらについては「水戦争」と呼ばれる形で起こっており、「水資源」の大切さは持っておく必要がある。

<思い起こそう、日本の実力・底力>
「私利私欲にはしるガリガリ亡者は、一時期は成功しても、
 最後には必ず滅びる。
 一升枡に二升は入らないのだ」(p.86より)

これは身の丈にあった生活をしろ、と言うことを表している。実際に一時期に成功し、名を馳せ、欲望の赴くままにお金を使い込み、破綻してしまった人も少なくない。もちろんお金を儲けて貯金を一生続けていても、最終的には死ぬ時に「遺産」として手放すことになるので、贅沢するよりも、ケチをするよりも「使い方」を大切にすることであるという。

<子孫に美田を残さず>
「原因のない結果はない。
 いま艱難辛苦(かんなんしんく)があるとすれば、それは先祖からの因果応報が
 関係しているからだ。
 いまから果報をつくせば、幸福は必ずめぐってくる。」(p.102より)

この名言はどちらかというと成功本や自己啓発寄りのものと言える。確か「原因と結果の法則」に似ているような気がするのだが、本章では「因果応報」の言葉を広げての警句を表している。

「わたしが任侠道の人や暴力団関係者と会っているといって
 攻撃するが、それは違う。
 たとえ前科があっても、刑が済んで徳を積めばよいのだ。
 だから私は、暴走族にも暴力学生にも希望をもっている。」(p.122より)
ますます世知辛い世の中になっているのだが、特に「前科があっても、刑が済んで徳を積めばよいのだ」というのは再チャレンジの思想としてある。歴史上の人物にも前科を持ちながらもたゆまず徳を積み重ね財を為した人、はたまた大統領になった人もいる。どんな人でもチャンスは平等にあるし、どんな境遇にあったとしても、徳を積み重ねることによって評価する事を笹川良一は行っていたという。

<日々これ粗食で九十、百は働き盛り>
「病院によっては数種類の薬を、馬に飲ませるほど出すところがある。
 とりわけ、抗生物質の乱用は避けなければいけない。
 軽い風邪をひいただけで、抗生物質を飲むのはもってのほかだ。
 暖かくして寝ているのが一番いい。」(p.156より)

私はここ数年病院にすら行ったことが無いのだが、私の祖母が週に2~3回ほど病院に行くことがある。その際には大量の薬が処方され、毎日の様に服用しているのだが、実際薬は治癒能力では無く、症状を抑えるに過ぎないのだという。本によっては悪い言い方だが「病人を薬漬けにしている」と言っている所もあり、そのことを笹川良一は突いているのではないかと考えられる。

本書はあくまで「警句集」として警句を取り上げた一冊であるが、現在の世論を突いている所もあれば、ビジネスや自己啓発にも通用するところがある。そう考えていくと日本人として、日本人に限らず生きていくことについての「真理」を突いているように思えてならない。

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