ビジネスモデル分析術2~数字とストーリーでわかるあの会社のビジョンと戦略


著者の望月様より献本御礼。
昨年の4月に出た「ビジネスモデル分析術」の続編と言える一冊だが、前回はアップルやグーグルといった所が中心であったが、今回は「通信」「スポーツメーカー」「小売り販売」「家具・インテリア販売」「保険」と前作では紹介されなかった分野にまつわるビジネスモデルを会計など、数字を観点にしながら取り上げた一冊である。
昨今行われている就活対策はもちろんのこと、新しく事業を興したい方にとっても、どのようなビジネスモデルがあるのか、と言うことを学ぶ機会となる一冊と言える。

第1章「AT&T vs. ソフトバンク」
まずは「通信」の2社を分析するが、日本では「ソフトバンク」は嫌と言うほど有名な会社である。所が「世界」と視野を広げてみると、AT&Tの方が歴史だけではなく、シェアとしても圧倒的に強いと言える。ソフトバンクの設立は1981年に対し、AT&Tは1885年に設立した。他にも売上の規模についても、AT&Tはソフトバンクの3倍以上の差を付けている。他にも通信事業と行っても、ソフトバンクは携帯を中心にしている一方で、AT&Tは携帯電話も含めて通信事業全てを担っているというのも違いとしてある。

第2章「ナイキ vs. アシックス」
次はスポーツメーカーであるのだが、両社とも対照的なブランド戦略を行っているのだという。ナイキにしても、アシックスにしても、スポーツシューズなどの用品を次々と精算しているのだが、ナイキは経営の歴史から会計から転身し、ブランドを高めており、一方でアシックスは元々創業者の代からずっと「職人」であることにこだわりを持った会社として存在している所に違いが存在する。

第3章「ウォルマート vs. イオン」
次は「小売業」とあるのだが、いわゆるスーパーマーケットやショッピングモールといった所にカテゴライズされる企業2社を比較している。ウォルマートはアメリカ、及び西欧諸国では最も有名な企業であるが、日本でも西友を完全子会社化して、格安商品を販売すると言った事を行っている。一方イオンは郊外でショッピングモールを多数展開しており、もちろんコンビニやスーパーマーケットなどにも展開しており、独自のプライベートブランド(PB)を展開している。こちらも世界的に展開している所と、日本独自で展開している所の違いと見て取れる。そう考えていくと売上や利益の違いは差がついてしまっている。その一方でビジネスモデルはどうかというと、ウォルマートにしても、イオンにしても安さは追求しているものの、ウォルマートはスーパーセンターと呼ばれるもので、食糧の他に、衣服や雑貨などを販売するというもの、一方のイオンはスーパーだけではなく、専門店やアミューズメントストアなどを複合的に抱えている違いがある。

第4章「イケア vs. ニトリ」
私自身北海道出身である事から家具や雑貨を中心とした小売業はニトリくらいしか知らなかった。イケア自体も、私が2008年に関東に住み始めてから初めて知ったくらいである。
ニトリは北海道から今となっては全国規模にまで展開しており、株式も上場しており、本社自体も東京にある。一方でイケアは元々スウェーデン発祥で日本に展開したのは2008年、そう考えてみると私が関東に移り始めた時と同じくしてイケアも進出していることになる。そう考えると、気付くのが遅すぎてしまったが本書は全て世界的に活躍している企業と、日本で活躍している企業のビジネスモデルと数字の比較をしていることになる。この2つの違いとはいったい何なのか、代表的なものとして「北欧デザイン」と「コンパクト」との違いでそもそもつくられ、売られている家具の違いというのがある。

第5章「パークシャー・ハサウェイ vs. ライフネット生命」
最後は保険会社である。ライフネット生命は昨年社長が交代したことで話題となった。しかしパークシャー・ハサウェイは会社名こそ認知はそれほど高くないのだが、会長兼CEOが世界の投資王であるウォーレン・バフェットであるという。もっと言うとパークシャー・ハサウェイはウォーレン・バフェットが経営のトップに出る前までは経営的にも芳しくなかったが、今となっては世界的な企業に成長するに至った。こちらもビジネスモデルの違いを中心に見ていくと、ライフネット生命はインターネットを中心とした生保事業を進めている反面、パークシャー・ハサウェイは保険事業を基軸にしながらも複合的に事業を展開しているところに違いが存在する。

ここではビジネスモデルの違いについて観てきたわけであるが、他にも財務諸表分析をしており、財政的にもどのような傾向にあるかというような、会計の観点からの分析も行っている。実際にあとがきにも書いてあるとおり、ビジネスモデルや売上の数字ばかりではなく、会計的な分析を加味して、自ら数字に強くなることで、企業の分析が一段と変わってくる。本書は2社の比較によってビジネスモデルだけではなく、数字も含めた分析をするためにはどうすれば良いのか、と言うことを明かした一冊と言える。

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