嫉妬のお作法

フォレスト出版 森上様より献本御礼。

「私たち人間の心に「感情」があるかぎり、この「嫉妬心」と一生付き合っていくもの」(p.2より)

とあるように、人間の感情があるので、嫉妬心は一生ついていかなければならないという。それが「嫉妬」と意識しても、しなくてもである。
しかし嫉妬をする人もそうだが、される人にも原因があり、実際にどのように対処をしたら良いのだろうか、そのことについてカウンセラーの立場から伝授した一冊である。

第1章「嫉妬の正体」
人は誰しも「嫉妬」すると言われるのだが、その「嫉妬」はどこから来るのだろうか。それは自分と他者を比較する事で生まれる所にある。比較するからでこそ、他人を羨み、蔑む。そのことで「嫉妬」が生まれる。その嫉妬は恨みと言うよりも他人よりも優位に立ちたい、という欲求も含まれている。

第2章「嫉妬する人、される人」
嫉妬という感情があると、する人もいればされる人も必ずいる。しかもそれらにはある「特徴」があるのだという。どういう人が嫉妬をする、あるいはされるのかというと、それぞれ「自己アピール」や「目立ちたがり」「噂」「虚栄心」「比較」と言ったヒントが隠されている。

第3章「男の嫉妬、女の嫉妬」
嫉妬の方法や度合いは男女それぞれ異なっている。しかし漢字を見てみると、両方とも「女編(おんなへん)」であることがわかる。その理由としては長らく女性が持っているだけの感情と考えられてきたという。なぜそうなのかは本章にも記載しているが長くなってしまうのでここまでにしておく。
男と女の嫉妬の違いであるが、男と女とで人のつながりが違う事からどのような所から嫉妬が表れるかによって異なる。本章では「タテ」と「ヨコ」でとらえられている。

第4章「人の嫉妬から自分を守る方法」
嫉妬される側に立ってみるとたまったものではない。最悪の場合、嫉妬されることにより、身を滅ぼしてしまう事さえありうるからことさらやっかいと行っても過言ではない。では、どのようにして嫉妬から身を守れば良いのだろうか。その一つとして「距離を置く」「理解する」「耐性をつける」と言った方法がある。

第5章「嫉妬したときの対処法」
今度は嫉妬する側の対象法である。嫉妬するにも何かの原因があり、心理が働いてしまうのだが、それを未然に防止するためにはどうしたら良いのか。「切り離す」こともあれば、「目を向ける」「チャンスととらえる」などの方法があるという。

第6章「嫉妬をプラスに変える技術」
嫉妬心はマイナスの感情と言えるのだが、マイナスをプラスに転化する事も可能である。これは考え方一つであり、「気づき」としてとらえたり、チャンスとしてとらえたりする事によって、自分自身を前向きに生きるようにすることができる。

私自身嫉妬深いかと言うと、自分自身分からない。嫉妬の感情に苛まれることもあれば、実際に嫉妬しているようで、嫉妬と思っていないこともあるためである。なので、本書を通じて嫉妬のメカニズムを知り、そして対処をする、と言うことが大切になる。もちろん嫉妬深い人だと意識している人もそうだが、もしかしたら嫉妬しているのではないか、と疑いを持っている人であれば是非読むと良い一冊である。