浮世でランチ

ランチというと、最近では一人で食べる「個食」とか、「孤食」とか言われることが多い。もっと言うとお金がもったいないから自前で弁当を作る。しかし大学生になると、自分自身の弁当が恥ずかしく移ってしまうので、どうしてもトイレで弁当を食べると言う人もいるのだという。しかし私がサラリーマン時代だった頃は私も一時期そうであったが、大概外でランチをすると言うこともあった。ご飯を通じて人と人との関わりを持つと言うこと、そしてざっくばらんに自分と他人との距離を近づけられる、そういう役割を持っている。実際にビジネス書でも「ランチ」に関する本もあり、どちらかというと「健康」というよりも、「人脈」と言った要素が強い。

それはさておき、本書はランチを通じて人との関わりを取り上げているが、主人公とランチをする人は様々なある時は同僚、あるときは中国人など、会社の枠を超えている。超えているからでこそ、今置かれている自分、過去の自分、そしてこれからの自分を見出すことができる。もっと言うと様々な人とランチをする事で腑に落ちない「矛盾」を見つけてしまうのだが、それをどのように受け入れるのか、というのが興味深い一冊であった。