東京コンフィデンス・ゲーム

「コンフィデンス」は簡単に言うと「信用」である。「信用」と言うと人と人との関係もあれば、投資の世界でも「信用取引」と呼ばれるものも存在する。

本書の話に入るのだが、本書は企業における「買収」にまつわる闇、あるいは企業そのものの「闇」を描いている。その企業における「闇」と言うと、人間関係はもちろんのこと、詐欺師も青ざめるような阿漕な手口を行うような人もいる。しかも不当の借金を抱えてしまい、職を失うといった最悪な状況の中で這い上がり、なおかつ復讐を遂げていくという「リベンジ・ストーリー」と言える一冊であり、銀行はもちろんのこと、世間では「優良企業」と呼ばれる会社の闇を知って、企業買収をでっち上げて、20億円詐取するものであるという。

企業買収というと企業と企業との戦いを描くことが多い中で、企業と、企業ではない集団との戦いを描いている所があり、経済的な闇を突いているようでいてならなかった。