アイルランド紀行 – ジョイスからU2まで

ヨーロッパはイギリス、イタリアなど有名な国は数多く存在する。しかしあまり知られていない国も存在しており、その中にはイギリスの隣国である「アイルランド共和国(以下:アイルランド)」が存在する。アイルランドというと大都市である「ダブリン」以外はなかなか知られていない。そう考えると、私たちの知らないアイルランドの魅力は本書の中に隠されているのかもしれない。本書は知られざるアイルランドの魅力について「紀行」という形でつづっている。

第一部「ダブリンとレンスター(東部)」
アイルランドの最大都市はダブリンであるが、人口は約105万人程であり、隣国イギリスの首都ロンドンの7分の1程の人口である(2001年現在。ちなみにロンドンは約717万人)。アイルランド一の年であるのだが、歴史的にも重要な役割を担ったこともあり、歴史的建造物も数多く残されている。
第一部の後半にはレンスターと呼ばれる所が存在するが、ほとんどダブリン州に属しているため、実質「ダブリン」と呼ばれる場所と言っても過言ではない。

第二部「コナハト(西部)」
「コナハト(コノート)」はゴールウェイ州、リートリム州、メイヨー州、ロスコモン州、スライゴ州で構成されている所であり、地域の中では最も人口が少なく、地方全部合せても46万人ほどしかいない。人口の少ない地方というのは、語弊はあるものの、西部は山や湖、さらには荘園といった自然豊かな名所が数多くある。

第三部「マンスター(南部)、アルスター(北部)とベルファスト」
アイルランドの南部・北部の地方と、ここでは北部アイルランドの首都であるベルファストも取り上げられている。
アルスターは北部に属しているが、州によってイギリス領(北アイルランド)とアイルランド領とで分かれる。一つの地方でありながら2つの国が混在する。ベルファストをはじめとしたアルスターの事情として特徴的なのが他国の移民も積極的に受け入れており、ここ最近では中国人の移民が多いと言う。そのため使われる言語も英語・アイルランド語の他に中国語も多いと言う。
一方のマンスターはケルト語で「神」を由来しているが如く、昔からいくつかの王国が栄え、紛争に発展することもあったほどである。その王国の名残と言われる名所もここで紹介されている。

アイルランドの紀行を見てみると、私たちの知らない名所も数多くあり、観光としても最適と呼ばれる所でもある。イギリスやフランスと言った有名どころ以外を考えている方、あるいは落ち着いたところでのんびり旅行したい、と言う方であればアイルランドを旅行すると良いのかもしれない。