観光による地域社会の再生―オープン・プラットフォームの形成に向けて

「地方は疲弊している」と言う主張をしている論者もいるのだが、地方によっては元気な所もあれば、新しいアイデアも浮かばず、疲弊の一途を辿っているような状態の所も存在する。いずれにせよ、地方をどのようにして活性化していけば良いのか、どこの地方も模索しているのだが、本書では「観光」にフォーカスを当てている。

しかし「観光」と言っても、以前「街おこし」や「聖地巡礼」に関する本を紹介したのだが、本書はそうでは無く、地域産業や交流を重点的に扱っている。しかも本書にて取り上げている場所は北海道の黒松内町や標津町、登別市、夕張市と、いずれも北海道を取り上げている。その理由には分析をすすめるに当たって条件を取り上げたが全て該当するところがたまたま北海道だったことを挙げているが、著者が経歴には北海道大学で博士課程を取得した経緯があることからある種の「恩返し」をしたのかも知れない。