あのころのデパート

私は神奈川に住み始めてからはごく当たり前に接してきたデパート。北海道にいた頃もあったのだが、長引く不況の煽りを受けて、そのまま潰れたり、デパートでは無く、「複合商業施設」という形で残ったり、様々な変化をして、デパートという形を為さなくなってきた。大学の時に住んでいた小樽では、住み始めた頃にはもうすでにデパートがなかったことを覚えている。

本書の帯にて「昭和のよそゆきのお出かけとは、家族でデパートに行くことでした。」と書かれているが、昭和60年生まれの私も小さい頃は親に連れられてデパートに行った事が思い出として残っていた。そう考えると今となっては家族連れでデパートに行くことが減ったのではないか、と思われがちだが、実際に私自身も時々デパートに行くが、休日や夏・冬・春休み時には家族連れでデパートに行く姿をちらほら見かける。特にレストラン街は家族連れの方が多いような気がしてならなかった。そう考えると、私が昔思っていたデパートの面影は、残っていると言っても過言ではない。

しかしデパートも変化するもの。かつては本書では朝10時~夜6時までが当たり前だったという。私の時代では夜7時半が多かったのだが、今となっては夜9時、レストラン街に限って夜11時までやる所もある。またエレベーター・ガールについてもほとんど見なくなったという。最近見かけたとしても1~2デパートくらいしか無かった様な気がする。

本書の紹介している25年前と今では確実に変化している。そうで無ければ時代の波にさらわれてしまう。現にその波にさらわれてしまい、潰れてしまったデパートも数多くある。生存原理の通り、時代は変化する。その変化はデパートも例外ではない。