占いと中世人―政治・学問・合戦

占いの歴史は深く、中国大陸における「四書五経」の中で「易経」がでてきたことにある。ただ、史料がないが、もしかしたら古代エジプト・ギリシャ・ローマなど紀元前から文明のあったところでも同じような占い・占術があったと思われる(あくまで推測である)。

では本書の話に移る。本書は日本における「中世」、時代からして、平安時代~戦国時代に欠けての占術と人びと、その中でも軍事・政治・学問と「占い」との関係性についての考察を行っている。特に政治や軍事に関しては次の家臣や君主を選ぶときの判断の一つになったり、合戦だと布石の参考資料にしたりと役立てられていた。もちろん今となっては個人的な楽しみによる要素が強かったのだが、情報も少なく、不確定要素が多かった時代であったため、占いはどれほどまでに貴重だったと言うことが良く分かる。