ぼくたちが見た世界―自閉症者によって綴られた物語

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自閉症と言う病名を聞くことがあるのだが、「自閉症」と言うのはいったい何なのだろうか。調べて見ると、

「早期幼児期に発生する精神発達障害。対人関係における孤立、言語発達の異常、特定の状態や物への固着などを示す。脳機能障害によると考えられる。早期幼児自閉症」「広辞苑 第六版」より抜粋)

とある。自閉症は精神障害の一種であるが、その実態・原因・対象法はまだまだ研究段階にあり、俗説や誤謬説もあり、認知はまだまだできていないと言える。そんな中で自閉症を題材にした作品も数多く挙げられており、特にテレビドラマ化された「光とともに…」はベストセラーになるほどだった(作品自体は2010年に終了しているが、著者が逝去により未完の作品となっている)。

しかし多くの題材は実際に施設への取材、あるいは身内が自閉症であることの体験談を述べた客観的な作品である。しかし本書はそれとは異なり、著者であるカムラン・ナジール氏自身が自閉症者であることが特筆である。

これまで自閉症を題材にした小説・評論などは「客観的」な観点から題材となったのだが、おそらく初めて「主観的」な視点から描かれた小説になる。もちろん著者自身が自閉症でありながらも、著者の周囲も同じ自閉症者であることからお互いに支え合いながら生き続け、それでいながら自分たちで見た世界に向かって歩き続ける、自閉症でありながらも、「生きる強さ」を見出した一冊と言える。

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